「子育ては夢そだて」・心のレベルを高めるための3つの修業第二回「100個の『ありがとう』のススメ」

「しちだ・教育研究所」の月刊紙「子育ては夢そだて」に寄稿させていただいたお話です。

心のレベルを高めるための3つの修業
第二回「100個の『ありがとう』のススメ」
志賀内泰弘

人は思い悩んだり、壁にぶち当たった時、講演を聞いたり自己啓発書を読んで「成功者の教え」を学ぼうとします。たしかに、モチベーションを上がるでしょう。でも、せっかくの金言も実行に移さなければ役に立ちません。そこで、3回シリーズで人生が音を立ててガラリと変わる「誰でもできるカンタンな修業」を紹介しましょう!
初めにオススメするのが「ありがとう」の書き出しです。
早速ですが、ノートとペンを用意してください。今から、3分間差し上げます。感謝の気持ちを箇条書きにして下さい。例えば、「(奥さんに)朝ご飯作ってくれてありがとう」「夕べは子供を風呂に入れてくれてありがとう」「(駅員さんに)いつも元気に挨拶してくれてありがとう」とか、どんなことでもオーケーです。なにしろ、3分という短い時間なので、『ありがとう』と部分は省略してもかまいません。あと一点。どんな些細なこと、一見つまならなさそうに思えることでもかまいません。いや、小さいことの方が大歓迎です。ではスタート!」
はい!終り!!いかがでしたか?いくつ書き出せましたか?実はその数ではなく、その「ありがとう」の中身に問題があるのです。
私の友人の奥さんから聞いた話です。彼女は助産師の仕事をしています。昔でいうお産婆さんですね。今まで大勢の赤ちゃんを取り上げて来ました。その彼女が、自分が赤ちゃんを産むことになりました。いざ、自分のことになると怖くて怖くてたまらなかったと言います。それはなぜか?まず最初に、生まれたばかりの子供の両手の指を数えるそうです。1本、2本、3本・・・5本。「ああ~よかった5本だ」とホッとしたそうです。さらに手と足も2本あるか。「え?そんなの当たり前だろ?」という声が聞こえてきそうです。でも、それは当たり前ではない。ときに、そうではない赤ちゃんが生まれてくることを職業柄いくつも見て来たから。
こんなクイズを耳にしたことがあると思います。「『ありがとう』の反対語はな~に?」というものです。もちろん国語の問題ではなく、とんちです。答えは「当たり前」。なぜなら、「当たり前」のことだと思うと、「ありがとう」という感謝の気持ちが湧いてこないからです。
さて、先ほど書き出していただいた「ありがとう」を見返してみてください。小さな小さなのことが書かれている人ほど、感謝の心が深い証拠になります。例えば、「今日も朝、目が覚めてありがとう」「目が見えてありがとう」「風邪気味だけど咳が出なくてありがとう」「家族がいてくれてありがとう」「今日、夕ご飯を買えるお金があってありがとう」「住む家があってありがとう」・・・。小さなことは、ついついが「当たり前」と思っていませんか?感謝の心を養う練習です。これは自分自身を見つめ直す修業でもあります。
通勤電車の中で、100個書き出してみてください。そのとたん人生が変わります。