「地域づくりは人づくり」
渡辺経営コンサルタント事務所 季刊誌「かけはし」vol.112号(令和4年7月号)
WMCでは、平成七年より、県外の志企業に学ぶ「企業視察研修(ショック・クリニック・セミナー)」を開催してまいりましたが、活性化している地域には「小さくてもキラリと光る企業」と「志の高い経営者(商人)」が存在していることを知りました。企業視察研修の視察先の大半は、立地的にそれほど恵まれたところにあるわけではないのですが、それでも人(お客様)は集まってくるのです。
WMCでは、このような志の高い経営者の方々に弊社が主催する講座などで特別講演をしていただき、「いい会社づくりと地域づくり」などについて学びを深めてまいりました。そして、地域に志の高い商人が育ち、その会社が地域をリードする、キラリと光る存在になることで、地域が活性化するのではないかとの考えに至り、「商人のレベルが地域のレベル」と言い続けるようになりました。
そこで、地域の商人の方々が学ぶ勉強会の場が必要と考え、二十二年前に、福島県の浜通り(太平洋側)にある相双地区の経営者の方々と「双葉(ふたば)志(し)塾(じゅく)」という勉強会を立ち上げ、毎月例会を開催してまいりました。
二十年前には、中通りにある福島市を中心とした県北地区の経営者の方々が世話人となって、経営者と社員が共に学ぶ「信夫(しのぶ)心(しん)燈(とう)塾(じゅく)」が誕生し、十七年前には、会津地区の経営者の方々が世話人となって、経営者と社員が共に学ぶ「あいづ日の出塾」が誕生しました。
これらの塾では、私が塾長または専任講師を務めておりますが、これら三つの塾の会員や世話人は私どものお客様であり、お互いに親しい間柄になっておりますので、近年では年に一回、三塾合同例会を開催し、研鑽に励むようになりました。
最近では、この塾の中から「ふくしま産業賞」や「地域未来牽引企業」など、さまざまな賞を受賞する企業が増えてまいりました。真摯な学びと実践により、地域から評価される企業になってきたのです。
商人の志の高さと地道な学びの実践が、その地域の未来を切り拓いていくと信じています。「地域づくりは人づくり」「商人のレベルが地域のレベル」です。