小さなベランダ交流 (2007/5/20)

 初孫は目に入れても痛くないという。津島市にお住まいの斉藤景子さん(32)の二歳の息子さんも、どちらのご両親にとっても初孫だそうで、大変かわいがられているそうだ。車が大好きなので、たくさんのおもちゃの車を買ってもらっている。その数は百以上。夜はお気に入りの車を胸に抱いて眠るという。

 マンションの二階のベランダからは、外を通る車が見える。息子さんは目の前に電気やガス工事の車が止まると「おーい、おーい」と声をかける。斉藤さんが「そんなことを言っちゃだめよ。こんにちはとか、頑張ってねと言いなさい」と教えると、その通りに言うようになった。

 ちょうど家の前がごみの収集場所になっている。そこへ来る収集車に「頑張ってね」と呼びかけるようになった。六十歳くらいの色黒の優しい感じのおじさんが「はい、こんにちは」と手を振ってくれた。そんなやりとりが何度か続いたある日のことだった。

 いつものように「頑張ってね」と息子さんが言うと、おじさんは何かをベランダに向けてふわっと放った。おもちゃの車だった。それを見て大喜び。お礼を言うと「コーヒーのおまけのミニカーだから」と、おじさんはさりげなく言った。

 何度かそんなことが続き、そのうち収集車が来ると階下まで行ってあいさつをするようになった。息子さんは、おじいちゃん、おばあちゃんからもらった車と同様に、おじさんからの“プレゼント”も大切にしているという。あいさつをきっかけに始まった二人の交流は、今も続いているそうだ。