『郵便で~す!』 (2010/4/11)
三月二十八日付「ほろほろ通信」で、豊田市藤岡飯野町の水野知美さんが郵便配達の仕事をしている時、すれ違う人や農作業をしている人に「こんにちは」とあいさつをすると「寒いのにごくろうさん」などと返事をもらい反対に元気になるという話を紹介した。
先週に続き再び反響。豊橋市の長岡真由美さん(33)からこんな便りが届いた。長岡さんの家に郵便を配達してくれる人は、家の中まで聞こえるようにと大きな声で「郵便で~す!」と呼び掛けてくれるという。書留や宅配便でない限り直接手渡しすることはない。でも、郵便受けに入れたままだと、いつ家人が気付くかわからない。ひょっとすると、誰かからの手紙を待ちわびているところかもしれない。そんな気遣いが伝わってくる。
長岡さんは尾道を旅した時のことを思い出した。坂道で有名な町だ。家々が両側に迫る細い路地を登って行くと、ふと一軒の家の郵便受けに目が留まった。そこには、真ん中に大きな文字でこう書かれてあった。「配達ありがとうございます」。それも手書きで。きっと郵便配達の人はうれしいに違いない。そう思うと、歩き疲れた足が軽くなったような気がしたという。
さて、長岡さんの家には毎日ほぼ同じ時間帯に郵便が届く。声からするとずっと同じ人が配達してくれているらしい。そのころになると「そろそろかな」「今日はないのかな」と心待ちな気分になるという。長岡さんから郵便配達の方へ。「毎日お疲れさまです。言葉一つで温かな気持ちになれます。いつもありがとうございます」