どこかで落とした五百円玉 (2010/6/6)
清須市清洲東小学校六年の野中愛次郎君が、家族とスーパーマーケットに出掛けた時の話。食品売り場で四百八十五円のお菓子を買った。千円出して釣り銭を受け取った。ところが、家に帰ってみるとポケットには十五円しかない。どこかで落としたのだ。車の中を捜したが見つからない。
その日にもらったばかりの小遣いだったのでショックだった。落ち込んでいると、お母さんに「お店に聞いてみたら」と言われ電話をしてみた。するとレジの近くに五百円玉が落ちていたので、落とし物預かり所で預かっているとのこと。うれしくて大急ぎで受け取りに行った。
もし自分がお金を拾ったとしたらどうするだろうか。この時、野中君はこんなことを考えたという。心の中には二人の自分がいる。一人目の自分は「ラッキーじゃん。お金に名前が書いてあるわけではないし、自分の物にしちまえよ」と言う。そしてもう一人の自分は「ちゃんと届けるべきだよ」と。白状すると迷うにちがいない。「でも、最終的には届けると思う」と言う。それはなぜか。
いつもお父さんに、いろいろなことを教わっている。例えば「人が嫌がることでも人のためになることはしっかりやるんだぞ」。だから、掃除をすすんでやるようにしている。また「人にしてもらったことはけっして忘れてはいけない」とも。だから、今回お金を拾ってくれた人に心から感謝している。でも、お店の人に尋ねたが、誰が届けてくれたのかわからない。「だからこの気持ちを伝えたくて投稿しました。本当にありがとうございました」と野中君は言う。