44「何もしなければ道に迷うことはないけれど、何もしなければ石になってしまう」作詞家・阿久悠

 とても仲の良い友人がいました。彼には音楽の才能がありました。身びいきかもしれませんが、プロになっても通用するのでは、と思っていました。コンテストに応募したり、音楽事務所に売り込みに行くことを勧めました。でも、彼はたいへん臆病でした。失敗や他人からの評価を受けることが怖かったのかもしれません。ずっと、アマチュアのままで、それもストリートライブすらやる勇気もなく、ただ自分の部屋でオリジナルの音楽を作っていました。たぶん今も普通のサラリーマンをしているでしょう。阿久悠さんのこの言葉を知って、彼のことを思い出しました。「石にはなりたくない!」「たとえ道に迷っても」。そう心で呟きました。何歳になっても、チャレンジする心を大切にしたいものです。