66「放てば手にみてり」道元禅師「正法眼蔵」より

 座禅を組むときの教えです。ただただ無想になって座禅を組む。これを「只管打坐(しかんたざ)」というそうです。こだわりを捨て、思いを捨て、雑念を払う。すべての執着を手放したとき、自然に手の中に満つるものがある。それこそが一番大切なものであるという教えです。「あっ、これってギブアンドギブの精神だ」と思いました。ギブアンドテイクではなくて、ギブアンドギブ。与えて、与えて、与えて、さらに与える。見返りを期待しない心を養うこと。でも大丈夫。忘れた頃に、どこからかわからないけれど必ず還ってくる。そういうふうに世の中はできている。だから安心して、放とう。