69「おかげさん」稲盛和夫・五木寛之著「何のために生きるのか」致知出版社

 大阪の人は、「儲かりまっか」と聞かれると「ぼちぼちでんな」と答える。しかし、その前に「おかげさんで」と付けるのだといいます。「おかげさんで。まあ、ぼちぼち」と。この「おかげさん」の「おかげ」は、「お陰参り」のおかげであり、伊勢神宮へお参りすること。つまり、天地神仏のおかげ、世間様のおかげで、商売はなんとか儲かっておりますという意味になるのだというのです。素晴らしい言葉ですね。ぜひ口癖にしたいなあ。「あっ、そういえば」。母は、いつも「おかげさま、おかげさま」と言っていました。山ほどの苦労を背負って生きてきた母でした。母からの大きな遺産です。「おかげさま」。