メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第29回「こんなスゴイ友達を紹介します!~池田真実さんとその父親・池田弘さん」
メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第29回
「こんなスゴイ友達を紹介します!
~池田真実さんとその父親・池田弘さん」
☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと
「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
PHP研究所さんから「教育革命」というタイトルの本を上梓したことがあります。
副題は、「塾が作った学校の挑戦」。
学習塾の経営者が創設した、東大や医学部を目指す進学校を取材した本です。
そう聞くと、詰め込み主義やガリベンを思い浮かべることでしょう。
ところがどっこい。
これが違いました。
どの学校の創設者も「頭良くするには、心を磨くのが先」だというのです。
一言でいうと、「全人教育」。
最初は、「本当かな」と疑いました。
富山、岡山、鹿児島、高知と四つの学校を訪ね、理事長、学園長、校長、教頭、先生方、生徒、児童、OBに取材をしました。
熱かった。
熱くて熱くて、心が焦げ付くような人たちでした。
「人の情熱が、人に伝わり、人を変えていくんだな」と確信しました。
この本を書くにあたって、一つの偶然(奇跡か必然か?)が起きました
PHP研究所さんから、「鹿児島のこの学校を取材してください」と言われた学校の名前を聞いてびっくり。
なんと、私の友人の池田真実さんが副理事長をしている池田学園さんだったからです。
今日は、そんな不思議な出逢いに紡がれた、池田真実さんのお父さん・(故)池田弘さんのエピソードを一つ紹介させていただきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ピョン太とピョン子の話」
志賀内泰弘
これは、池田学園の話ではない。
池田学園学園長である池田弘氏が小学校の教諭をしていたときのエピソードである。
しかし、池田氏の「全人教育」を語る上では欠かせないものであり、紹介したい。
池田氏が小学校5年生の担任をしていたときのことだ。
そのクラスには、備品としてドッジボールが2個置かれていた。
子どもたちが、休み時間に遊ぶためのものだ。
ところが、いつもいつも後片付けができない。
授業の始まるチャイムが鳴ると、一斉に教室へ駆けて戻ってくる。
「誰かが持ってきてくれるだろう」という依存心からだろうか。
2つのボールは、校庭に転がったままになっていることが多かった。
池田氏は、ホームルームでこの問題について話し合いをさせることにした。
どうしたら、解決できるのか。
「校庭へ持って出た人が、持ち帰るというルールにしよう」
という意見が出る。では、もしそれを違反したらどうするか。
次には、罰則を設けようという意見が出る。
しかし、いくら罰則を作っても、初めのうちだけですぐに元に戻ってしまう。
そんなことを繰り返していたある日のことだった。
そのクラスにいた双子の女の子のうちの一人が、ホームルームで手を挙げてこう言った。
「わたしは、まずボールを男子用、女子用と決めて、それぞれに名前をつけたらいいと思います」
みんなポカーンとしていた。
「この問題と何が関係あるんだよ」
しばらく沈黙が続いた。すると、今度は双子のもう一人の女の子が、
「賛成!」
と大声で言い、手を叩いた。
それに釣られて、みんなも手を叩いた。
何だかよくわからないうちに、ボールに名前を付けることが決まった。
池田氏は、「どうなるのかな」と口をはさまずにじっと様子を見ていたという。
つい先ほどまで、「どうしたら、校庭のボールを忘れずに持って帰れるか」ということを話し合っていたはずなのに、教室ではワイワイとボールの名前をどうするかについてで盛り上がっていた。
意見がまとまった。
男の子用のボールには「ピョン太」、女の子用は「ピョン子」という名前が付けられた。
双子の女の子は、張り切ってドッジボールに名前を書いた。それぞれ、青色と赤色のマジックインキで。
さて、予期せぬことが起きた。
休み時間が終わると、誰かが必ずボールを教室に持ち帰るようになったのだ。
いや、それだけではない。汚れていると拭いてきれいにする。
ボールに、「ピョン太」「ピョン子」と話しかける子も現れた。
誰かが袋を作ってきて、その中に入れて仕舞っておくようにもなった。
なんだか死んでいたボールが甦る気がしたという。
そう、ボールが生きている。生き物を育てているような感じになった。
池田氏は、言う。
「あの子たちは、今頃どうしているのなかぁ。
双子の女の子は、きっと結婚をして幸せな人生を歩んでいることでしょう。
いいお母さんになってね」
池田真実さんのプロフィール、並びに「いい話」は、
志賀内泰弘公式サイト「いい話・いい仲間のプラットフォーム」の、
「いい人・いい話のフェス」のコーナーのこちらからお読みいただけます。↓
https://shiganaiyasuhiro.com/fes-category/ikeda/
☆☆☆志賀内泰弘公式サイト☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「いい話・いい仲間のプラットフォーム」
〇心が疲れたとき、悩んでいるとき、辛くてたまらないとき、
「いい話」駅の乗降場へ、ふらりとお立ち寄りください
https://shiganaiyasuhiro.com/
〇志賀内泰弘がおよそ30年間、取材、体験を元に書き続けて来た
「ちょっといい話」のアーカイブスです。
ここに集まる「いい話」の主人公に共通するキーワード。
それは、ギブアンドギブ! 「利他の心」です。
忙しい毎日をお送りの皆さんに、日々の生活からちょっぴり途中下車して、志賀内とその仲間(賢人・奇人・変人・達人) たちの「ハートフルな感動物語」をお楽しみいただき、心の癒しにお役に立てたら幸いです。
【メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」】アドレス登録解除
https://m1-v2.mgzn.jp/sys/unreg.php?cid=E3031164
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆