メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第37回(その16)志賀内人脈塾「一つの出逢いが人生を変える」~「ギブアンドギブ」を腹の底に落とすためのエピソード(5)「信用という財産を得る」
メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第37回
(その16)志賀内人脈塾「一つの出逢いが人生を変える」
~「ギブアンドギブ」を腹の底に落とすためのエピソード(5)
「信用という財産を得る」
☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと
「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。
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拙著に、自己啓発小説「「いいこと」を引き寄せるギブアンドギブの法則」(PHP研究所)があります。
小説の舞台は愛知県知多半島に浮かぶ小さな島“多賀良島"。
その島に異国のみすぼらしい托鉢僧・タルシルが降り立ったことから物語は始まります。
ひょんなことから、本書の主人公である「多賀良島しあわせホテル」の若女将・風見美咲 がタルシルに弟子入りし、「ギブ&ギブ」という、その一見“奇妙"な教えを実践していきます。
前回のメルマガで紹介した「ぐるりの教え」基にして、
今回は、「ギブアンドギブ」と「お金(経済)」のかかわりについて、タルシルと村の人々が語るシーンを、ピックアップしてお届けします。
それこそ、ギブアンドギブという生き方の神髄でした。
小説の一部からの抜粋でセリフが多いのですが、エッセンスを読み取っていただけたら幸いです。
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美咲は自戒を込めて告白した。
「私・・・安いところから買うのが当たり前だと信じてた。
それで、龍太んちから買わなくなった。
目の前の利益に心を奪われて、一見、得をしているようでいて損ばかりしていたのね。
島の中でぐるりと回せばよかったのに」
タルシルが答える
「その通りでゴザル。
この島だけではありません。
日本全国、財政破綻に陥っている町は、ここに原因の一つがあるのデス。
車も、ガソリンも、食料品も、衣服も、なんでも町の中にあるはずなのに、安さを求めて、町の外へと出掛ける。
自分の町の八百屋さんで100円のダイコンが、町の外のスーパーなら90円で売っているとなれば、90円のダイコンを買いに行きたくなって当然デス。
でも、その結果が、町全体の破綻に繋がるのです。あえて自分の生まれ育った故郷の町の八百屋さんで、100円のダイコンを買うのでゴザル。
損したと思った10円は、必ず『ぐるりの教え』に基づき、自分に返ってくるのデス」
伊原社長が、話の後を受けた。
「人は、正直のところ得したいと思うものです。
問題は、『いつ』得をするか、今なのか、それとも少し先なのか、ずっと先なのかということです。
目先の利益に惑わされず、大きな『利益』が返ってくるまで、我慢できるかという問題なのです」
続けて、タルシルが再び、話をすすめた。
「実は、それは、毎日の生活の中で実践して磨くことができるでゴザル。
例えば、皆さんが、テレビを新型に買い換えたいと思ったとしまショウ。
どうされますか?」
「今までなら、半島まで船で渡って大型家電量販店で安いものを探してたよ。
いや、まずネットで『安売り価格サイト』で検索するかな」
と、申し訳なさそうに龍太が答えた。
「それは、どういうことか。
モノを買うことを、単に「モノとお金の交換」と考えているからデス」
まさしくそれは、禅問答だった。
龍太が答える。
「買うってことは、モノとお金の交換に決まってるだろ」
「いえいえ、そうではないのでゴザル。
拙者は、モノを買いたいと思ったときには、『安く買おう』などとは思いマセヌ」
「え?!」
龍太だけでなく、みんなが不思議そうな顔をしている。
「テレビが欲しいと思ったら、拙者は、友達や知人から買おうとするでゴザル。
しかし、町の電器屋さんも、家電量販店さんにも知り合いがいない。
では、どうするのか。友達や日頃からお世話になっている人に電話をして、相談しマス。
『テレビを買い換えたいと思っているんだけど、知り合いに詳しい人はいないかなぁ』と。
すると、いろいろな答が返ってきます。
『親戚に電気屋さんがいるよ』
『友達がデパートに勤めてるぞ』などと」
美咲が先んじて言う。
「あっ、その人を友達から紹介してもらって買うのね」
「その通りでゴザル。
すると、どうなるでショウ。
電器屋さんの親せきやデパートに勤めている友達は、お客さんを紹介してくれたということで、拙者の友達や知人に感謝するわけデス。
拙者が、テレビを買うことによって、拙者の友達や知人が彼らの友達・知人から感謝されるという、まか不思議な現象が起きマス。
すると、どうなるのか?」
「わかった! 今度はタルシルさんが感謝されるのね。
友達から『良いお客さんを紹介してくれてありがとう』ってお礼を言われたよ、僕の友達の店で買ってくれてありがとうと」
「はい。すると、すると、その感謝の気持ちは、相手の心にずっと残っていて、いつの日にか、「あのときのお礼」が忘れた頃に還ってくるのデス」
みんな食い入るようにして耳を傾けている。
「さて、ここで、肝心なことが一つ。
けっして、価格を値切ってはいけないのでゴザル。
言われるままの値段で買うのデス。
相手は、友達の友達や親せきですから、その顔を潰すようなことはデキマセン。
相手の方も、親しい人の紹介ですから、「お得な機種」「お得な価格」を黙っていても提供してくれマス。
万一、他社よりも高くても黙って買うのデス」
美咲にとって、それは今まで想像もしたことのない考え方だった。
損を承知で「そこまでやるのか」というのが、正直な実感だった。
「すると、どうなるのか。中に入って紹介してくれた友達が感謝されマス。
「金離れのいいお客様を紹介してくれてありがとう」
「毎日、値切るお客様ばかりで疲れちゃってさ」と。
ホテルでもお土産屋さんでも、商いをしていらっしゃる方はこの気持ちがよくおわかりだと思いマス。
値切られた時、とても淋しくなることを。「ああ、嫌だな」と辛くなることを」
「よくわかる。うちのような小さな民宿ですら、支払いの段になって値切ろうとする客がいる。
『こんなに安いのに、美味しかったよ』と言われたら、お土産の一つでも渡したくなるのが人情ってもんだ」
と松重の爺さんが、知らぬうちに話に食いついてきた。
タルシルの説法は、さらに佳境に入った。
「ここで、安さがウリの家電量販店でテレビを18万円で買った場合と、友達の紹介で友達の電器屋さんで20万円で買った場合と比較して考えてみたいと存ズル。
家電量販店で買えば、2万円得することになる。
でも、それは単なる「モノ」と「お金」の交換という商取引に過ぎマセン。
店を出たら、すべての行為が完結してしまいマス。
ところが、でゴザル。友達が紹介してくれた電器屋さんで買うと、2万円高いけれども、電器屋さんは友達に感謝し、その感謝された友達は、拙者に感謝します。
この2万円という「お金」は、単なる「お金」という概念を超えて、「感謝」という見えない価値を生み出すのデス。
これを、いつもいつも繰り返していくうちに何かが得られるのです。わかるでゴザルカ?」
タルシルの押しかけ弟子を自認する美咲が、話を聞いているだけでは我慢できず答えた。
「周りの人たちから、みんなから感謝される人になる。
つまり・・・そう、「信用」という財産が得られるのね」
「その通りデス、美咲殿。
仮に、一年間に100万円の買い物をしたとしまショウ。
家電、寝具、衣服、贈答品・・・。
すべて定価で、友達や知り合いから買うことにシマス。
10%分、10万円分高く支払うことになってしまいますが、その後も相手の心に「感謝の心」が未来永劫生き続けマス。
その10万円は、「信用」というお金では替えがたいものに変わるのでゴザル。
それも大勢からデス。
値切ったことで、「10万円得をした」と喜ぶのは、一過性のものなのデス。
自ら、「人生のデフレスパイラル」を作ってしまっているとも言えマス。
「信用」とは本来お金で買えるものではありません。
ところが、たった10万円で周りの誰からも「信用」される人間になれるのデス。
みなさんは、どちらの道を選んだ方が賢明か、もうお分かりかと存ズル」
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