メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第70回「こんなスゴイ友達を紹介します!~「カレーライスのココイチ創業者・宗次德二さんへのインタビュー」(前編)~

メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」
第70回「こんなスゴイ友達を紹介します!
~「カレーライスのココイチ創業者・宗次德二さんへのインタビュー」(前編)~

☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。
いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。

 今日は、35年来の「心の師」であるカレーライスのココイチ創業者・宗次德二さんからの教えを紹介させていただきます。
少しばかり前になりますが、2015年に宗次さんにインタビューしたものを紙媒体掲載のためにまとめたものです。
かなり長いので、前中後編、3週に分けてお届けします。
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カレーハウスCoCo壱番屋創業者 宗次德二さんに聞く
「なぜ、『そうじ』や『寄付』をすると、人生が上手くゆくのか?」(前編)
   
インタビュアー 志賀内泰弘

 宗次德二さんは、テレビや新聞、雑誌など、今まで多くの取材を受けて来られましたが、その多くは「ココイチを成功させた秘訣」という経営面にスポットを当てたものでした。
テレビ東京の人気番組「カンブリア宮殿」でもそうでした。
しかし、今回は、宗次さんが創業以来続けている「そうじ」や「寄付」といった「社会貢献」に的を絞ってお尋ねしました。
経営者のみならずで、すべての人に役立つ「幸せになれる生き方論」を伺うことができました。
宗次さんとは、もう25年くらいも前からお付き合いさせていただいていますが(心の師です)、改めて1対1でじっくりとお話を伺うのは初めて。
ワクワクしつつ、宗次さんが代表を務めるクラシック専門ホール「宗次ホール」を訪ねました。

志賀内
「今日は、お忙しい中、ありがとうございます」
宗次
「こちらこそ、よろしくお願いします」
――ココイチの創業者ということで有名ですが、その一方で「そうじ」や「寄付」などの「社会貢献」に熱心でいらっしゃることに、日頃から頭の下がる思いでいます。
今日は、「経営」のことはさておき、「社会貢献」についてのお話を伺わせてください。
私の知っている範囲で言うと、宗次さんは、次の5つのことをされておられますね。

1、「そうじ」・・・早起きして地域の清掃をする。365日雨の日も風の日も。
2、「NPОイエローエンジェル」・・・夢と目標を持つ団体・個人を応援
3、「宗次ホール」・・・クラシック音楽の普及を通して、人や社会を明るくする
4、ココイチの法人として、経常利益の1%の寄付やバザーなどにカレーを提供
5、宗次さん個人として、ホームレスを支援

宗次
「そんなところですね」

◆365日、雨の日も風の日も雪の日も

――まず、「そうじ」について教えてください。
そもそも、「そうじ」を始められたのは、いつからですか?
宗次「きっかけ、と言われると困りますが、ココイチを開業した時から店舗の周りを夫婦で「そうじ」していました。
でも、それは誰もがやっている普通のことですよね。
本格的に始めたのは、ココイチが100店舗くらいになった頃からでしょうか。
社内で「くだらない会」というのを作ったんです」

――え??「くだらない・・・会」って何ですか?
宗次「これはね、『圧倒的に多くの人がバカバカしくて、くだらないと思うことを本気でやり続ける会』という会の略なんですよ。
「そうじ」ってね、辛くって誰もやりたくないのね。
キレイになるのはいいことだ、とわかっていてもできないし、続かない。
それが自分の家の中じゃなくて、会社の周りとか、公園とか道路とか公共の場の「そうじ」となるとよけいにバカバカしいと思ってしまう。
「そうじ」する暇があったら、お金儲けとか趣味に時間を当てた方がいいとか思う人が多いかもしれません。
そんなバカバカしくてくだらない「そうじ」を、みんなで早起きして一緒にやろうって、社員に呼びかけたんですよ。
毎朝、6時に集合して30分くらい会社周辺を「そうじ」しました。
ゴミ袋を片手に、軍手で。
その後、20分くらいかけて、ゴミの分別をします」

――何人くらいの人たちが参加されましたか?
宗次「毎日30人くらいかな」

――それは、全社員?
宗次「いえいえ、20%くらいの人たちです。
私は強制はしませんでした。
だって、無理やり「そうじ」をしても楽しくないでしょ。
ココイチの接客の基本ですが「ニコ・キビ・ハキ」・・・つまり、ニコニコ・キビキビ・ハキハキしながら「そうじ」をしなさいって言ってます。
6時から「そうじ」に参加するとなると、6時出社ってことだから、そりゃぁ辛いでしょう。
休みの日も365日続けるわけだから」

――雨の日もやるんですか?
宗次「そりゃそうです。
365日、雨の日も風の日も雪の日も。
続けることが大切なんですよ」

――え?!雪の日もですか?
宗次「もちろん!台風なんて来ると、逆に燃えるんです。
やるぞーって。風邪をひいて熱がある日もやります。
だけど、それは私の話。
みんなには強制はしない。
最低ラインがあって、もし参加するなら、月30日のうち10日以上出席することが条件なんです。
ギリギリ10日っていう人が多かったかな。
今月はあと何日って数えながら。
私は「そんなこと考えるより、毎日参加した方が気が楽だよって言ってました。
でも、みんなよく参加してくれましたよね。
別名『早起き会』って呼んでいました」

――25年くらい前に、初めてお目にかかった頃、ボスジャンの話をされていたことを思い出しました。
宗次「そうそう、よく覚えてましたね。
あの頃、サントリーの『ボス』っていう缶コーヒーが売り出されて、スタジアムジャンバー(通称ボスジャン)の景品があってね。
缶に付いているシールを何枚か集めると抽選でもらえました。
私の『そうじ』の担当区域は、ココイチ本社近くを通っている国道22号線沿いの側道だったから、車のドライバーの中には窓から平気でポイと空き缶を道に捨てて行くんですよ。
だから、缶とともにシールがたくさん集まってしまって、ボスジャンを何着ももらいました。
他にもソニーのゲームソフトなんて何十台もですよ」

――おお!「そうじ」をすると、いいことがありますね。

◆「行動」すると「心」が変る

宗次「『そうじ』は、一日の始まりのウォーミングアップに最適なんです。
心も頭も身体も、『そうじ』をして汗をかくことで準備運動になるんです。
それだけで充分、いいこと、効果がありますね。
何より、地域がキレイになると、地域の人たちに喜んでもらえます。
それが一番でしょう。

――ちょっと意地悪な質問ですが、社員さんの中には「嫌々」っていう人もいたのでは?
宗次「たぶん、いたでしょうね。
聞いてはいないけど。
社長の顔色を見て『参加しないとヤバイかな』なんて。
でもね、それでも、『やる』のと『やらない』のでは大きな違いがあります。
社長がやっているから、仕方なく始めた人でも、まず行動を起こすことが大切です。
「行動」を起こすと、それがやがて「習慣化」します。
すると、今度は「心」が変るんです。

――わかります。形から入ることも大切なんですよね。
宗次「でもね、そんなバカバカしいことをやろう!って声を掛けたわけだけど、その分、給料が増えるわけじゃないから何かの形で、ご褒美というか感謝の気持ちを参加者に伝えたかった。
そこで、メンバー全員で毎年1回、旅行に行きました。
札幌へカニを食べに行ったり、ゴルフツアーをしたり、上海など海外にも行きました」

――そのお金は?
宗次「もちろん、私のポケットマネーです。
まだ上場前のことで給料の中からでしたが、気前よく出しました。
そうじ(・・・)仲間(・・)ですからね。嬉しい出費でしたよ。」

◆毎朝3時55分に起きる!

――ココイチの社長を退任された後、5年を経てクラシック専門のコンサートホール「宗次ホール」をオープンされました。
宗次「作曲家の三枝成彰さんの監修の元で建設し、2007年3月29日に、バイオリニストの五嶋龍さんにオープニングリサイタルをしていただきました。
現在はここの代表として、できうる限りお客様のお出迎えとお見送りをしています。
もちろん、一番後ろの席でコンサートも聴きます。
そう言えば、志賀内さんにも開設当時の2年間、日替わり支配人をお願いしましたね」

――はい、他の方4人と交代で一日支配人をさせていただきました。
クラシックなんてわからないので、冷や汗をいっぱいかきました。
今では、年間約400公演も企画するまでになったそうですね。
宗次「午前11時30分から1時間の『ランチタイムコンサート』もやっています。
千円という低価格で、手軽に忙しい人たちにもクラシックを聴いていただきたくて始めました。
おかげさまで好評です」

――クラシック音楽を通して、みんなの心を豊かにしようという・・・これも社会貢献の一つとして捉えてもいいのでしょうね。
チャリティシートを用意されたり、お客様が気軽に募金できるようにと、さまざまなボランティア団体の募金箱が館内に設置されていますよね。

さて、引き続き、現在の「そうじ」の活動にについて教えてください。
宗次「宗次ホールのすぐ近くの広小路通(名古屋市中区の久屋大通り中日ビルから東新町交差点)の歩道と中央分離帯413メートルを、これまた365日、「そうじ」をしています。
ここを勝手に、『イエローエンジェル通り』と呼んでいます(笑)」

――またまた早起きしてなんですよね。
宗次「朝は毎日、3時55分に起きます。
今はホールのビルの上階でも寝起きしていますから、すぐに下へ降りて来てタイムカードをカシャと押します。
だから毎日、出勤時間は4時くらい(笑)。
タイムカードをお見せましょうか。
(確かに、連日午前3時58分とか4時2分とか・・・なかには、1時55分なんていう日も。いったい、どうなっているのやら目が白黒)
宗次「その後、一仕事して、6時30分から8時までが「そうじ」の時間です」

――「花も植えておられますよね。今日も地下鉄の駅からここまで歩いて来る間に拝見しました。」
宗次「はい、冬から春にかけてはパンジー。夏から秋はハイビスカス。
ココイチの色の『黄色』です。
ちゃんと、市役所の許可をいただいてやっています。
最初はもう、雑草がボーボーと生い茂ってたいへんでした。
空き缶や弁当容器のゴミなんかが歩道や中央分離帯に山ほど捨てられていて。
歩行者やドライバーがポイ捨てするのでしょう。
行政も予算が取れなくて仕方なく放置してあったのです。
『そうじ』だけでなく、ここを通る皆さんが気持ちよくなるようにと花の手入れ・管理をしています。」

次回中編に続く
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