メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第82回「こんなスゴイ友達を紹介します!「日本講演央新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」(第二回)~日本講演新聞編集長・水谷もりひとさん~」
メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」
第82回「こんなスゴイ友達を紹介します!
「日本講演央新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」(第二回)
~日本講演新聞編集長・水谷もりひとさん~」
☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。
いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。
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日本講演央新聞を購読されている方も多いと思います。
全国で開催された著名人の講演会の講演録と、編集長・水谷もりひとさんの社説で有名な新聞です。
以前、私が編集長を務めていた月刊紙「プチ紳士からの手紙」に、水谷もりひとさんが書きおろして下さった「至高のエッセイ」を順に、アップさせていただきます。
どうぞ、お愉しみください。
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日本講演新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」第二回
「振り返って!」
水谷もりひと
僕らが発行している日本講演央新聞は、いろんな講演を取材して、その中から心を揺るがしたいい話を、面白かった話をお伝えしているミニコミ紙です。
この二十年間で千人以上の講演内容を紹介してきました。
その中で今回はほろっとした話を紹介します。
講演したのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)で「ボイジャー」という惑星探査機の打ち上げに関わった佐治晴夫さんです。
「ボイジャー」というのは、太陽系の惑星を観測するという目的と、もう一つ地球外生物の発見しようという夢のあるプロジェクトだったのです。
惑星探査機「ボイジャー」は二機打ち上げられています。
1号に整備不良が見つかり、先に2号が1977年8月に打ち上げられ、約2週間遅れて1号が打ち上げられました。
打ち上げにあたり、「もし宇宙人がいたらどうやってコミュニケーションをしようか」と、NASAのスタッフは真剣に考えました。
「生物は視覚より聴覚が発達しているという特徴がある」と、地球人と宇宙人の共通言語を「音」にしました。
つまり、音楽です。
ボイジャー1号には、佐治さんの提案でバッハの「平均律クラヴィーア曲集」の中の第一巻の第一番ハ長調という曲を搭載しました。
そのほかにも、日本の尺八の曲など世界中の歌や楽器の音色がレコードに収録され、搭載されました。
さて、ここで興味深いのは、NASAのスタッフはボイジャーのことを「ボイジャー君」と擬人化して読んでいたことです。
ある女性スタッフはいつも「あの子は」という言い方をしていました。
というのも、ボイジャーは本来人間がやるべきことを人間に代わってやるという任務を担っているからです。
すなわり、スタッフの目、耳、手、足の延長上にボイジャーはいたのです。
スタッフはみんなボイジャーを機械だと思う人は誰もいませんでした。
だから、ボイジャー1号の打ち上げの前日、スタッフはボイジャーのために別れのミサをやりました。
ボイジャーは一度打ち上げると、二度と地球に戻ってきません。
しかも、三十年後も、四十年後も、ずっと果てしなき宇宙を進み続けるのです。
ボイジャー1号がものすごい炎をあげて地球を旅立ちました。
スタッフはみんな涙を流しました。
永遠の別れという悲しみと、彼はたった一人で真っ暗な宇宙の中を突き進み、健気に映像を撮影しては地球に送り続けるという任務を果たすことを思うだけで切なくなるのでした。
火星、木星、土星、ボイジャー1号はいろんな惑星の姿を撮影しながら、どんどん地球から遠ざかっていきました。
そして、一九九〇年に太陽系の探査が終わり、「ボイジャー班」は解散することになりました。
そのとき、一人の女性スタッフがボイジャーに向かって泣きながらこう言いました。
「私は今まであなたに、『可能な限り星の近くまで行って細やかな映像を撮って送って』と言い続けてきたわね。
あなたはそれに応えてくれたわ。
そしてすべての役割を終えて、今、あなたは永遠に宇宙への一人旅に出てしまうのね。
ボイジャー、最後に私のほうを振り返って! 私はあなたのお母さんなのよ」
このとき、彼の位置は地球から六十五億キロも離れていました。
「振り返って!」という信号を送って、それが彼に届くまで四時間十五分かかりました。
そして、彼の「はい!」という返事が彼女のところに届くのに四時間十五分かかりました。
一九九〇年二月十五日、ボイジャーは彼女の呼びかけに応えて、ちゃんと振り返り、地球の写真を撮って送ってくれたのです。
そのとき、彼女は、「私が『振り返って』と言ったら、あの子は振り返ってくれたわ。
太陽がまぶしかったでしょうね。
でもちゃんとかわいいお手々で六十四枚の太陽系の家族写真を撮って送ってくれたわ」と言って泣き崩れたのです。
そして、ボイジャーは一人、太陽系を出て行きました。
二〇一五年の今もはるか宇宙の彼方をボイジャーは飛んでいると思うと、万感胸に迫るものがありますね。
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