メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第112回(その39)志賀内人脈塾「一つの出逢いが人生を変える」~「人はどう生きたらいいのか?」~
メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第112回
(その39)志賀内人脈塾「一つの出逢いが人生を変える」~「人はどう生きたらいいのか?」~
☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。
いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。
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当メルマガの第109回では、こんなテーマを配信しました。
「良い人生を送るためには、どんな人と付き合ったらいいか?」
それ以前の問題として、自分自身が「付き合ってほしい」と言われるような人間になるには、どうしたらいいかと4つ課題を掲げました。
「笑顔である事、幸せである事、正直である事、誇りを持つ事。」
です。
今日は、その続き。
空海上人の教えと、浅田次郎さんの小説のセリフから、
「人はどう生きたらいいのか?」
という大きなテーマについて、綴ります。
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「どうしたら、曲がった口を治せるか」
志賀内泰弘
小説の取材で、しばしば京都の街を歩きます。
京都駅から近いこともあり、何度も訪ねているのが東寺(教王護国寺)。
東寺真言宗総本山で、弘法大師ゆかりのお寺です。
真言宗はたいへん修行が厳しいことで知られています。
境内のあちらこちらに、「お大師さま(空海)のおことば」と書かれた紙が、月替わりで置かれていて、参拝者が自由に持ち帰れるようになっています。
令和7年10月の「おことば」に目を引かれました。
いや、ギョッとして、引いてしまいました。
「生きるということを、一言で表すと『苦悩』です。
この世は『耐え忍ばなければならない世界』です。
災難、不幸、不運などの禍を縁として、どんな逆境にも耐えていける自分になれば、それが悟りです。
実は、悟りとは『二度と迷わなくなる』のではなく、『どこまでも迷っていける』人間に成ることです」
なんて厳しいのでしょう。
仏の道に帰依するのは、「苦しみから逃れ」たいからです。
さらに、仏にすがって、苦しみを取り除てもらいたいからです。
そのために、お寺で手を合わせてきました。
それなのに、
いきなり冒頭から、
「生きるは、苦悩だ」と言い切られ、最後には、
「どこまでも迷っていける人間に成ること」だとまでいう。
そんなの絶対、嫌です。
お参りしたり、御祈祷をしてもらうたびに賽銭や布施をするのに、それじゃあ身も蓋もないじゃないですか。
しかし、きっと、それが人生なのでしょう。
いくつになっても、苦しみ、悲しみ、迷いから逃れることはできない。
それどころか、達観とは程遠く、悩みが年ごとに増えるばかりです。
そんな折、たまたま再読した浅田次郎さんの「霞町物語」という小説の中に出て来る言葉に、ハッとしました。
写真館の三代目である主人公「僕」の青春ストーリーです。
初代の頑固な祖父は、根っからの写真家。
ときに、若者に人の道を説いたりもします。
ある日、「僕」の友人たちが写真館に集い、祖父に写真を撮ってもらうことになりました。
その一人、良治がスタジオの籐椅子に座ると、祖父はいきなり言います。
「おめぇは口がひしゃげている」
「え?」
と戸惑うに良治に、
「人間、どうすりゃ口が曲がるか知ってるか?」
と尋ねます。
「知らねぇ」
「嘘をついたとき。分不相応の見栄を張ったとき。うんざりと愚痴を言ったとき」
さらに言います。
「要するにおめえは、噓つきの、ええかっこしいの、愚痴っぽいやつだ」
と。
あれ?
それって、私のことじゃないかと思いました。
嘘つきで、見栄っ張りで、愚痴ばかり。
良治は、「どうすりゃ治るんかな」と尋ねます。
「簡単さ、笑うときには大口をあけて笑う。ワッハハハ」
さらに言います。
「泣きたくなったら奥歯をグイと噛んで、辛抱する」
さらに、さらに「一生それの繰り返し」とまで言うのです。
そうか、そうなんだ。
どうりで年を取っても、いっこうに心は穏やかになれないはずです。
若い頃は、60歳を過ぎたら、心が楽になっていると思っていました。
それは大間違い。
だとすると、悩み多き日々をどう過ごしたら、どう乗り越えたらいいのか。
そう、「奥歯をグイと噛んで、辛抱する」しかない訳です。
話は戻ります。
「付き合ってほしい」と言われるような人間になるには、どうしたらいいか。
誰にも悩みはある。
それでも、愚痴を言わず、笑って、正直に生きること。
こりゃたいへんです。
死ぬまでに辿り着けそうにありません。
それでも、ほんの一歩、1センチずつでも、近づけたらと思うのでした。
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