メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」トピックス№9「不覚にも泣いてしまいました。立川談慶師匠の新刊『狂気の気づかい』にジェラシー」
メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」トピックス№9
「不覚にも泣いてしまいました。立川談慶師匠の新刊『狂気の気づかい』にジェラシー」
☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。
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1月18日開催・立川談慶師匠講演&落語会満員御礼
もう半年も前から準備をしてまいりました「立川談慶師匠講演&落語会」は、おかげさまで一か月も前に満員御礼となりました。
いよいよ明日開催。
お越しくださる皆様と一緒に、目一杯楽しめたらと思っています。
さて、その談慶師匠の新刊『狂気の気づかい』(東洋経済新報社)を一気読みしました。
タイトルの通り、「狂気」というほどのハイレベルの「気づかい」をするにはどうしたらいいか、という自己啓発本だと思い込んで読み始めました。
ところが、それが「大きな勘違い」の「的外れ」であることに、30ページほどで気づきました。
いや、たしかに「自己啓発」そして「生き方指南」の本であることは間違いないのです。
しかし、それに加えて、苦労の末に噺家になった「立川談慶」さんという人間の一代記であり、かつ談志師匠との「愛の師弟物語」だったのです。
私事ですが、家族からも親戚からも「冷たい」と言われ続けてきました。
あの、「絶対泣く」と言われている映画「グリーンマイル」や「ショーシャンクの空に」ですら瞼が熱くなることもなかったのです。
なのに、なのに・・・。
油断していたからかもしれません。
不覚にも不意打ちにあった感じで、談慶師匠の『狂気の気づかい』で泣いてしまったのです。
ネタバレになってしまうといけないので、どこで泣いたかは語れません。
でも、泣いてしまう重要な伏線となるエピソードを一つ紹介しましょう。
談慶師匠は、慶応大学を卒業後、ワコールに入社します。
そこから立川ワコールという名前で「前座」修行をはじめます。
ところが、談志師匠に怒られて怒られて、(大袈裟でもなんでもなく)9年半の間に少なくとも1万回は怒られたといいます。
頑張っても頑張っても「二つ目」になることを認められません。
その上、ついには弟弟子にも抜かれてしまいます。
そんなある年の年末のことでした。
談志師匠から、ワコールさんの下宿に一本の電話がかかってきます。
それも午前2時。
「あ、起きてたか。
無理にとは言わねえが、いまから来てくれねえか。
いいか、無理にとは言わねえ」
今まさに、寝ようと思って布団に入った時でした。
これは「5分で来い」という合図でしかありません。
念のために申し上げておくと、噺家さんの弟子で「前座」というのは人としてみなされないくらいの存在なのです。
師匠が右と言ったら、左でも右。白と言ったら黒も白。
理不尽が当たり前の世界。
それが芸事で精進するための関門のようなものなのです。
(間違っても、パワハラと勘違いしないようにお願いします)
さて、ここでワコールさんはトレーナーとジャージに上を羽織って自転車を飛ばして談志師匠のもとへと駆け付けます。
玄関を開けると、
「いちばん使えねぇつやが来た」と苦笑いをして、命じられたのが、
「ほうれん草ゆでてくれ」
とのことでした。
それも、贔屓さんから15箱300束。
「わりい、すまねえ1つずつゆでで、水にさらして、絞って、ラップにくるんで、冷凍してくれ」
私は、この場面で自分のサラリーマン時代のことを思い出ししました。
きっと、誰もが経験があると思います。
上司から、
「いつでもいいので、この書類まとめておいてくれ」
先輩から、
「手が空いたら、こっちの仕事手伝ってよ」
取引先の担当者から、
「ついでの時に、寄ってもらえませんか」
と言われたことを。
この「いつでも」「手が空いたら」「ついでの時に」が、大いに曲者なんですよね。
これが「いますぐ!」という裏返しの言葉であることに「気づく」のが「社会勉強」なのです。
繰り返しますが午前2時です。
さすがに、談志師匠も気が引けたのか、ほうれん草をゆでている間、
「俺1人を快適にしないで、大衆を喜ばせることはできない」
「人間、いいときも悪いときも10年は続かない」
などの金言を授けて下さったそうです。
談慶師匠は、こう言います。
「無茶振りほど、引き受けた後にご褒美がある」
実は、そのご褒美、つまり落語が上達すること、そして「二つ目」に出世するまでのドラマが「ああ~こう来たか!」「参りました!」というほど泣けるのです。
(ああ~書きたいけど残念)
そしてさらに、二段落ち。
ラストに、もう一度泣けるシーンが出て来て完全に談慶師匠ワールドにはまってしまいました。
発売日は昨年の12月24日。
でも、きっともうテレビ局のプロデューサーはドラマ化に向けて動き出しているに違いありません。
物書きとして、悔しいほどジェラシーを感じる一冊です。
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