メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」トピックス№26「書店員さんの気遣いに、ほろりとした話」

メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」トピックス№26「書店員さんの気遣いに、ほろりとした話」

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☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。
いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。

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京都を舞台にした小説を書いているので、毎回、本が発売される都度、一日かけて京都の書店さんにご挨拶に回っています。
「京都祇園もも吉庵のあまから帖」は第10巻で10回伺っているので、新刊「京都一条戻橋 晴子のブックカフェ」では、11回目になります。
すると、顔なじみの書店員さんも多くなります。

「お待ちしていました」
と出迎えてくださり、「もも吉庵」の第10巻が発売された時には、
「ホントに完結してしまうんですか? 続きが読みたいです」
とまでおっしゃってくださり、泣けてしまいました。

挨拶も早々に、
「サインをお願いできますか?」
「よろこんで!」
「奥へどうぞ」
と促されます。
そこは応接間でも会議室でもありません。
書店さんのバックヤード。
届いたばかりの新刊の段ボール箱が山積みになっていたり、
冬場だと、書店員さんのコートが隅の方にズラリかけられていたり、
販促用に使われた古いポスターが置いてあったりします。

そんな中、事務机が一台。
「いつもながら狭いところで申し訳ありません」
とおっしゃっていただきますが、こんな光栄なことはないのです。
サインを自著に書く。
そうすると、どうなるのか。
その本は、もう返本が効かなくなってしまうのです。

本は、出版社さんから取次店(トーハンなど)を通して書店さんに並べられます。
一定期間を過ぎて売れ残ると、再び取次店を通して出版社さんに返されます。
それが、返本です。

ところが、著者がサインをするということは、本が「汚れる?」ということです。
「サイン本」は、一見貴重に思われますが、それは古本屋さんで扱われるような漱石や鴎外のような文豪に限られます。
その最たる証は、ブックオフでの扱いです。
東野圭吾さんの直筆サインが入っていたとしても、ブックオフでは引き取ってもらえません。
一言、
「これは値段がつきません。お持ち帰りになられますか、それともこちらで処分いたしますか?」
と言われてしまうのです。

「海賊と呼ばれた男」などベストセラーを多く書かれている百田尚樹さんは、まだ無名の頃、足しげく書店さんに出かけて自著のPRをして、
「サインさせてもらえますか?」
と頼んでおられたという話を、人づてに聞いたことがあります。
つまり、サインをしたら、返本できなくなる。
もし、売れ残ったら、書店さんが買い取らなくてはならない。
つまり、一冊、売れたことになるわけです。

一日かけて、おおよそ8から10店舗くらいを回ります。
店の規模にもよりますが、一日で合計100冊ほどサインを書かせていただきます。
中には、20冊も書かせていただけるお店があります。
心配になって、尋ねました。
「ご迷惑になりませんか?」
「はい、志賀内さんの本は、毎回これくらいは売り切っています。それに、通販でも売れるのです」
「え? 通販?」
「X(旧ツィッター)で、著者来店!サイン本入りました、と写真を添えてアップすると、遠方から送ってほしいと注文があるのです」
なんと!
サイン本に、そんな需要があったとは。

毎回、初心を忘れないためにも、
サインをさせていただけるのは本当にありがたいです。

さて、以前、こんなことがありました。
「大垣書店烏丸三条店」へお邪魔したときのことです。
 拙著にサインをさせていただくのに時間がかかってしまうのですが、
それでも、元々「本が大好き人間」なので、店内をぐるぐる回って、ついつい本を購入してしまいます。

 その時も、以前から気になっていた本が目に入りました。
「京都の達人 МKタクシーがご案内 とっておきの京都めぐり」(ナツメ社)
 です。
まだ、この後も、他の書店さんに伺わなくてはならなかったのですが、それでも荷物になることを承知で購入することにしました。
サッと手に取り、店内を一緒に案内していて下さった大垣書店スタッフの寺坂さんに、
「こちらをいただけますか」
と言って手渡しました。

すると、寺坂さんは、私から本を受け取ると平積みの一番上に戻し、
二番目の本を抜き取ってレジへと向かわれたのです。
それは、一瞬のことでした。
そう、「少しでもキレイな本を」という気遣いです。
たった、それだけのことです。
でも、たったそれだけのことが心に響きました。
ほっこりして、次の小説を執筆する励みになりました。

新刊が出て、また寺坂さんにお目にかかれると思うだけで、幸せです。

追伸
新刊「京都一条戻橋 晴子のブックカフェ京都の大垣書店さん直営ブックカフェ「SlowPage」の前でおしゃべりしました。
「一人でも悩みのある人を元気にしたい」と。ご覧いただけたら幸いです。↓

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それは、ギブアンドギブ! 「利他の心」です。
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