半田真仁さんプロフィール

福島を人生を賭けて猛烈に応援する広島県人

お互いさまの街ふくしま県在住

志組(しくみ)で人を幸せにするソーシャルビジネスデザイナー

NPO法人チームふくしま代表理事
採用と共育研究所 所長
株式会社クラロン顧問
笑うお食事会代表

志賀内泰弘

NPO「チーム福島」代表・半田真仁さんのこと

「福島発!もっと広がれ『恩送り』の輪(その1)
~BLTカフェの試み『幸せの0円ハンバーガー』」

「ひまわり里親プロジェクト」の友人からのメール

 「こんないい話があるよ」
と、福島の仲良しの友人、半田真仁さんからメールが入りました。

 半田真仁さんは広島県出身。たまたま福島に縁があり、東日本大震災の後、福島の復興のために尽力しています。NPO「チーム福島」代表で、その活動のメインは「福島ひまわり里親プロジェクト」です。それはどんな活動かというと・・・。
 まず、全国からヒマワリを育てる「里親」に、福島で育てたヒマワリの種を購入していただいて、ヒマワリを育ててもらいます。種ができたら、再び福島に送ってもらいます。その種は福島県内の公園や学校、観光施設や旅館、店舗などに配布され、翌年には再び黄色い大輪の花を咲かせます。ヒマワリを福島の観光振興にするとともに、障がい者の作業所で種の封入を行ってもらうことで弱者支援にも繋がります。さらに、ひまわり油が作られバイオディーゼル燃料を使った路線バスを走らせるという取組も、福島交通の協力で実現しています。
 しかし、今日お届けしたいのは、別のお話。
 すぐに連絡を取って尋ねると、それはまさしく志賀内が日頃から世の中に広げたいとい願っていた「恩送り」の実践者の話でした。

 自分に問いかけ、すぐに行動

 福島市に「BLTカフェ」といお店があります。オーナーは、吉成洋拍(よしなりひろはく)さん、通称「はぐちゃん」です。ある日、はぐちゃんは、社会福祉士をしている友人に、「施設(アイリス学園)で過ごす子どもはかわいそう」と話したところ、その友人から「(施設に)保護された子どもたちはある意味幸せ。今は安全なところにいるから。虐待やネグレクトなど周りから見えない危険にさらされている子どもたちは本当はもっとたくさんいるはず。その子たちこそが『かわいそう』でとても心配」と聞かされ大きな衝撃を受けました。
 はぐちゃんは「自分に何ができるだろう?」と問いかけます。そして、2020年、「お互いさまの街ふくしま」を立ち上げました。そして、活動の第一弾として、「BLTカフェ」でこんな取組をスタートさせます。
 お客様の中で、毎日の食事にも困っている人を応援したいとう人がいるとします。でも、「応援したい」といっても「どこの誰にお金や食事を持って行ったらいいか」わかりません。そこで、そんな温かな気持ちを持っているお客様に、「BLTカフェ」のレジでハンバーガーのカードを購入していただき、店内の木のボードにそのカードを張りつけます。
 お金を持っていない人でも、このカードを活用すれば食事ができるのです。カードには、こんなことが書かれています。

「お互いさまの街ふくしま

この券は、もうすでに誰かがあなたのために代金を支払っている券です。あなたは、この券で『1000円のハンバーガーセット』を無料で食べることができます。この券を手に取りスタッフにご注文ください」

 そのボードには、「Pay it forward(ペイフォワード)」と書かれています。なるほど!と、映画「ペイフォワード 可能の王国」を思い出された方もいることでしょう。主人公であるラスベガスの中学1年生のトレバーは、ある日、社会科の授業で、担当のシモネット先生からこんな宿題を出されます。
 「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」
 これにトレバーは、「自分が受けた善意や思いやりを、その相手に返すのではなく、別の3人に渡す」というアイデアを提出しました。一人の親切が、次から次へと繋がり世界を変えるのです。 日本ではこれと同様の「恩送り」という考え方が古来からあります。そうです、はぐちゃんは、「恩送り」で福島を、いや世界中を幸せにする企みを始めたのでした。
 続々と、ボードにはカードが張られて行く
 スタートと同時に、心ある人たちがカードを購入して行きました。自分が食事をする際、ついでに「もう1セット」買ってボードにカードを貼り付けます。
 その時、一緒にメッセージのメモも添えます。
 例えば・・・。
 「愛こそすべて お腹がいっぱい しあわせいっぱい」
 「いっしょにいるよ」
 そのメモを見つつ、残念だけれども今はお金を持っていない人が、カードを手にしてレジに向かいます。
 名付けて「幸せの0円ハンバーガー」。
 はぐちゃんと親交のある人の2店舗でも実施し、常にボードにはカードが張られている状態になりました。夢は100店舗。
 それだけではありません。はぐちゃんは、子ども食堂も経営し、子どもたちに安心で安全な食材を使ったカレーを提供しました。この「子ども食堂」も増やしていくことが夢です。それが達成した時、「福島はやさしさにあふれた、お互いさまにあふれた世界一の街になる」と信じて。