宗次德二さんプロフィール

掃除の達人・稀代の変人・ご存じココイチ創業者

カレーハウスCoCo壱番屋創業者

1948年10月(昭和23年)石川県に生まれる
1967年3月(昭和42年)愛知県立小牧高等学校 卒業
1967年4月(昭和42年)八洲開発 株式会社 入社
1970年2月(昭和45年)大和ハウス工業 株式会社 入社
1973年10月(昭和48年)岩倉沿線土地開業(宅地建物取引業)
1974年10月(昭和49年)喫茶バッカス開業
1975年10月(昭和50年)珈琲専門店 浮野亭開業
1978年1月(昭和53年)カレーハウスCoCo壱番屋創業
1982年7月(昭和57年)株式会社壱番屋設立 代表取締役社長 就任
1998年6月(平成10年)株式会社壱番屋 代表取締役会長 就任
2002年6月(平成14年)株式会社壱番屋 役員返上
2003年1月(平成15年)NPO イエロー・エンジェル設立 理事長 就任
2007年3月(平成19年)クラシック専用 宗次ホール オープン 代表就任
2012年4月(平成24年)株式会社ライトアップ設立 代表就任

著書

  • 繁盛させたければお客様の声を聞け! 1995年12月
  • 宗次流日めくり 達人シリーズ 日々のことば 2009年11月
  • 日本一の変人経営者(ダイヤモンド社) 2009年11月
  • CoCo壱番屋 答えはすべてお客様の声にあり【文庫】
    (日本経済新聞出版社)※繁盛させたければお客様の声を聞け!のリメイク版 2010年10月
  • "ココ一番"の真心を(中経マイウェイ新書) 2020年2月
  • 独断ー宗次流 商いの基本(プレジデント社) 2020年10月

表彰

  • アントレプレナー大賞部門 中部ニュービジネス協議会会長賞 受賞  1994年11月
  • 2004年 第6回企業家賞 受賞 2004年6月
  • まちかどのフィランソロピスト賞 受賞  2007年11月
  • 名古屋市芸術奨励賞 受賞 2012年1月
  • 経済界大賞 社会貢献賞 受賞 2017年1月

褒章

  • 紺綬褒章 受章 2020年5月

団体歴

  • 公益財団法人 名古屋フィルハーモニー交響楽団 理事
  • 社会福祉法人 中部善意銀行 理事
  • 一般財団法人 Classic for Japan 理事
  • 公益財団法人 日本オペラ振興会 理事
志賀内泰弘

宗次德二さんを尊敬する理由

 宗次さんとのご縁は、かなり古く、もう30年以上も前のことと思います。その頃まだ、しがないサラリーマンをしていた私は、異業種交流会「VAV倶楽部」の朝食会で宗次さんと名刺を交わさせていただきました。
 メンバーが大勢いるので、会話はほんの二言、三言だけです。

 ところが、この後、奇遇な巡り合わせが起きます。
 夏休みを取って沖縄へ出掛ける名古屋空港待合室で、私の前の席に座っておられたのです。それも、同じ那覇行きの便でした。
 それだけではありません。
 今度は、ハワイに出掛けた帰りのことです。
 ホノルル空港の待合室で、
 「あれ志賀内さんじゃないの?」
 「いや、こんなところに、志賀内さんがいるわけじゃないか」
という声に振り向くと、そこに宗次さんご夫婦が座っておられたのです。
 もうお互いにびっくりです。
 はやり、名古屋行きの飛行機の便まで同じでした。

 その後も、会社のお昼休みに名古屋駅の地下街を歩いていたら、
 「志賀内さ~ん」
と呼ぶ声!遠くの方から宗次さんご夫婦が歩いて来られます。
 これを妙縁奇縁というに違いありません。

 志賀内が46歳で会社を辞めた時、宗次さんはクラシック専門「宗次ホール」をオープンされました。そのSS支配人なるものに任命されびっくり。だって、クラシックなんて全くわからないのに。きっと、退職して収入が無くなったことを慮ってことと思っています。

 そんなに近い存在だと思っていた宗次さんの驚くべき一面を知ったのは、ちょうどその頃のことです。ホームレスの人たちを見かけると、コンビニでオニギリや暖かいお茶を買い、そのレジ袋の中にそっと千円札を何枚か入れて差し上げているというのです。
 宗次さんと言えば「そうじの達人」として有名です。
 「イエローエンジェル」なる、ボランティア団体も主宰していることでも、知られています。
 でも、ホームレスを直接支援されていることは全く知りませんでした。

 そこで!改めて、宗次さんを解剖したいと思い、インタビューを試みました。親しい人に膝を突き合わせて話を聴くというのは、なんとも恥ずかしい気分です。
 これは、何冊も出版されているカレーハウス「ココイチ」の経営成功物語ではありません。
 「そうじ」と「ボランティア」を通して、その生き方に迫りました。
 数多く、新聞や雑誌でインタビュー記事を目にしていますが、このような切り口は初めてのことと思います。

 経営者の多くは、何らかのボランティアに参加しています。
 しかし、その多くは、会社のお金を寄付したり、社員をボランティアに参加させたりするという形で行われます。もちろん、自分の財布から募金される方も多いでしょう。
 しかし、宗次さんの場合は、まったく違いました。
 自らが、早起きして、地域の「そうじ」をされていたのです。
 そして、それは、ココイチから離れて、クラシックホール「宗次ホール」の代表となった今も続いているのです。
 毎朝、3時55分に起きて、ホールのすぐ近くの大通り(名古屋のど真ん中の広小路通)を清掃されています。365日、雨の日も風の日も。
 それだけではありません。ホームレスの支援など、「困っている」人たちに、自ら手を差し伸べる活動をしているのです。

 口でもなく、頭でもない。
 身体で実践されること。
 尊敬せざるをえません。

 私は、宗次さんを「心の師」として仰ぎ、その教えを実践すべく努めてきました。もちろん、宗次さん万分の一にも及びません。しかし、今の私があるのは、宗次さんの教えを僅かながらでも「実践」して来たからだと信じています。