定期預金からも借りてた

定期預金からも借りてた

「オカダさん、保険の引き落としが出来ません」 オカネを使い切った母親に代わって家計をワタシが賄って一年が過ぎた頃、保険会社から一本の電話がかかって来ました。どの保険だろうと思っていたら母親の定期預金が入っている預金通帳から引き落としされている保険があったことが判明しました。

母親は元気なときから保険大好きでした。保険屋さんに勧められるがままに入ったタイプの保険が多く、信用しているから見直しもしていませんでした。なので認知が判ったときにワタシの友人の保険屋さんに保険証券見てもらったところ昔ながらのタイプで保証内容もあまりよくないコトが判明し、それらの保険はすべて解約しました。

まさかまだ契約していた保険が残っているとは、と思いながら母親の定期預金が入っている総合通帳の付け足しに銀行のATMに通すと、あーらビックリ!金額がすべてマイナスになっていたのです。これだけ並んだマイナスの通帳はを見たのは初めてです。

「定期預金は預金金額の90%まで借りることが出来る」

若いときに母親に教えてもらってお財布代わりに入れたり出したりしていたのですが、令和の現代もらえる金利0.002%ですが、そこに税金を払うので実質0.0016%!

定期金利

借りる金利

それに対して払う金利はその313.75倍の0.502%!
カンタンに言えば100万円定期預金で預けても、もらえる金利は16円。そこから90万円借りると支払う金利は5020円!
それ以来定期預金からオカネを借りることをワタシはやっておりません。

定期預金で引き落としが出来る限り保険の引き落としは行われていた様子です。そしてその引き落としが出来なくなった、イコール定期預金の90%まで使ってしまって連絡が来たということでしょう。

その保険も解約して(こちらもスッタモンダあったのですが、それはまた別で書きます)さて、90%無くなった定期預金の通帳を見ていろいろ考えました。 というのも、母親は思い出したように「ワシの通帳返せ!」とワタシに絡んできます。本人了解の元、孫娘をスケープゴートにして「娘が持っているから知らんよ」と逃げます。なので母親の癇癪が起きたら収まるまで娘には居間に顔を出さないようにLINEします。

そんな母親なので銀行に行ったら「ワシのカネだ!」と騒ぎ出すかもしれません。ずーっと悩んでいたのですが、時は12月、いまがチャンスと意を決して言いました。

「あのな、アンタは忘れているかもしれんが、昔定期預金からアンタが借りてカネ使ってしまったんだ」
「だれが-?いつー?」
「うん、忘れてしまったかもしれんが、アンタの通帳なんだ。オレは使えんのだ。そしてずーっとマイナスになっているんだ」
「だれが使ったの?ワシ知らんよ」
「うん、もう一度言うけどアンタの通帳だからオレは使えんのだよ」 「・・・・・」
「そうすると利子はどうなる?いま100万円定期預金に入れても一年で16円しか利子が付かんのだよ。でも定期から借りると一年で5200円の利子を払わにゃならんのだよ。これってバカらしいだろ」
「おー、ばからしいな」
よし、ノッてきたぞ。
「だから、このままでは毎年毎年利子だけ払わにゃならんから解約に行く。そうするといくらか残るだろうからそれで正月のカズノコ買おう。アンタの通帳だからオレは勝手に解約できんのだよ。だから銀行ついてきてくれ」 「そうだよな、カズノコ買わにゃいかんもんな」

正月をハデにやっていた世代にカズノコというワードは「買わにゃイカンもの」としてインプットされています。そしてそれを自分カネで息子に買ってやるという「やっぱりワシを頼っているんだ」意識も働きます。

とりあえずその場は納得して銀行についてきてくれることになりました。
でも、行く当日に「なんで銀行行くんだ?」と聞かれるコトは織り込み済みです。