ハッピーセットを届けたい (2009/11/8)

 安城北中学一年の金田千咲さんは、小学一年の時からボランティアサークルに参加している。大人も子どもも性別も関係なく集まった人たちが一緒になり、植樹や川べりのごみ拾いなどさまざまなボランティアをする。八月八日には安城七夕祭りの会場で、訪れた子どもたちに風車の作り方を教えた。

 子どもはもちろん、そのお母さんたちも喜んでくれ「うちの子もこのサークルに入れたい」「活動はほかにどこでやっているの」と尋ねられることもある。そして、必ず返ってくる言葉。それは「ありがとう」だ。特に頑張った後に言われると感激する。何げなく使っている言葉の素晴らしさに気づいた。

 もう一つある。それは笑顔だ。笑顔で「ありがとう」と言われると、感動が倍増し「今度も頑張ろう」という気持ちになれることを発見した。「ありがとう」と「笑顔」をハッピーセットと名付けて普段の生活で使うようになったという。

 植樹活動をした時のこと。大変な仕事だが、一本植えるごとに達成感が生まれた。すると「もう一本植えてみよう」という気持ちになる。登ってきた時には寂しい表情だった山道が、帰りには生き生きとして見え「こんなに植えたのかな」と驚いた。地球を助けるなんて大きなことはできないけれど、人の役に立ち、人に感謝される仕事に就きたいと思うようになった。

 そして金田さんは今、警察官になる夢を抱いている。「今まで多くの人たちからもらったハッピーセットを、今度は自分が町中に届けて明るい未来にしたい」と言う。