池田真実さんプロフィール

生真面目な顔で、ドカン人を笑わせる教育者

教育界が誇る稀代の素人芸人
池田真実さんは、めったなことでは笑いません。
無表情といってもいいほど。
こちらが、ジョークを言っても、ウケているのかどうかわからないのです。
池田さんとは、京都で年に一度、勉強会を開催しています。
その席で、一人15分ほどのスピーチをすることになっています。参加者は、講演を職業とするプロばかり。与えられた時間内で、どの人もがきっちりと参加者全員を感動させます。
さて、池田さんの順番です。
登壇しても、いつもと同様に、ニコリともせず、スピーチを始めます。
いきなり、ジョーク。
参加者のうち、2、3人がクスリと笑います。残りの人たちも「笑いたい」のですが、あまりにも無表情なので、「笑ってもいいのだろうか?」「今のは、ひょっとして冗談なんだろうか?」と戸惑っています。
10分ほどするうち、ギャグやらジョーク、小話の連発に、会場は笑いの渦になります。
無表情がゆえに、ギャップがことのほか面白い。
もし、M1グランプリに出場したら、けっこうイケるんじゃないか?
私は、そう思っています。
実は、それでいて、鹿児島の進学校・池田学園の副理事長なのですから、人間ってわからないものです。
よくよく考えると、しかめっ面して聞いた話など、スーッと右から左へと抜けていくものです。
でも、大笑いして聴く池田さんの話は、ずっと心に残るのです。
これぞ、教育者のあるべき姿だと確信しているのです。

元気が出てくるいい話
十数年前だっただろうか。志賀内さんの分身に出会ったのは。
分身とは志賀内さんの「元気が出てくるいい話」という本だ。
当時、自己啓発の本を中心に本を読み漁り、よく近くの書店で本を購入していた。35万部の蔵書がある中で、たまたま手にした本がそう志賀内さんの分身だった訳だ。
分身は素晴らしい内容だった。今まで味わったことのない感銘を受けた。感動したページの角を折りながら読み進めたが、読み終えるとほとんどのページの角が折られており、本は2倍の厚さになっていた。その感動を手紙で志賀内さんに伝えた。
すると超速で返信がきた。
次は本人に会いたくなった。新幹線で6時間。志賀内さんの住む名古屋に走った。これが2度目!の出会いだった。
その頃の志賀内さんはコラムニストだった。今やベストセラー作家。会社でいえば大出世だが、本人はそのことを鼻にかけたりすることは全くない。
かつて二人で会合に出席したことがあった。長い講演が終わり、やっと食事になった。食事はバイキングで皆一斉に料理に向かった。しかし、志賀内さんの姿が見えない。しばらく経ってようやく発見したが、どうやら食事をした形跡がない。いろいろな方をつかまえては話を聴いていたらしい。「食事しなくて大丈夫ですか?」と聞くと「人がご馳走なのです」と言う。
この姿勢は今も変わっていない。現在連載中の「京都祇園もも吉庵のあまから帖」は6巻まで発刊されている。京都祇園が舞台で、名古屋から京都へ足しげく通って取材を続けている。
今、第7巻を執筆中という。志賀内さんの話を聴く度に元気をもらっている。まさしく「元気が出てくるいい話」だ。