鍼(ハリ)と漢方で劇的に快癒した治療例

鍼(ハリ)と漢方で劇的に快癒した治療例
茶屋ヶ坂東洋医学研究院・院長
項一 雅子(こういち まさこ)
聴き手  志賀内泰弘
KYさん 46歳・女性
乳がんの場合
どのような症状でしたか?
左の乳房全体が原発(大元のがん発症部)の乳がんで、左の乳房やリンパ、肺や肝臓、全身の骨にまで転移し、後で知ったことですが「何もしなければ、余命は3、4か月だったよ」と担当の先生から言われました。手術もできない状態なので抗がん剤治療を始めましたが、3か月目くらいから、手足の痛み、フラッシング(1時間毎に暑さと寒さが繰り返し襲う)、吐き気、腹痛、便秘、鼻血などの副作用が起き、治療を始めて4か月目くらいには家から1歩も外へ出られない状態となり、それが3か月ほど続きました。
寝たきりだったのですか?
はい、ほとんど寝たきりのような状態で、週に1度の抗がん剤治療の通院の際に、タクシーで病院へ行く以外は寝ているか、起きていても椅子に座って動けない状態でした。今から思うと、うつ病のような感じで、治療が続けるどころか生きる意欲も失くしていました。
どんなきっかけで、茶屋ヶ坂東洋研究院へ来られたのですか?
中国人の知人が心配してくれて、項一先生を紹介してくれました。気力を失っていたことと、鍼治療を一度も受けたことがなかったので、最初は半信半疑でやんわりとお断りしていましたが、何度も勧めて下さるので「一度、相談してみよう」という気持ちになりました。
茶屋ヶ坂東洋研究院では、どのような治療を受けられましたか?
鍼と漢方治療を受けました。
1か月ほどで副作用が激減し「うつ」も改善して明るくなり、そのまま抗がん剤治療を続けられるようになりました。さらに、2か月後には、転移している部位のがんも消えたり小さくなり、自分で運転して買い物にも出掛けられるようになりました。先生からは、
「中国の病院では、西洋医学と東洋医学の両方で治療します。鍼が効いたからといっても今まで通り抗がん剤治療も併せて治療を続けてください」
と言われ、週に1回の抗がん剤治療と、週に2回の鍼治療を併用して続けています。また、項一先生に処方していただいた漢方薬(十数種類の複合)も服用しています。
効き目があったと思いますか?
鍼や漢方が、がんに効いたのかどうかを自分で証明することはできませんが、もし抗がん剤治療だけを受けていたら、副作用の辛さで治療自体が続けられなくなっていたことは間違いありません。事実、「もう抗がん剤治療を止めよう」と思っていました。担当の医師に「もし止めたらどうなるのか」と尋ねたら、薬で抑えているがんが一気に増えて、すぐに死んでしまうと言われ、生きる力を失くしていました。
鍼と漢方で免疫力が著しく上がり、抗がん剤治療との相乗作用が起きたのだと自分では感じています。
血液検査の状態は?
一般的に抗がん剤治療を受けると、正常な細胞もダメージを受けてしまうので白血球や好中球の数値が著しく低下すると聞いていました。免疫力の低下が数値に現れるのです。それにより、風邪や食中毒などの感染症に罹りやすくなるので、再三「外出のときにはマスクをしなさい」「サラダや刺身などの生ものは食べないように」「人ごみには往かないにように」と指導されていました。
ところが、これもまた、自分で証明することはできないのですが、白血球や好中球の数値が正常値を維持しており、おかげさまで抗がん剤治療を続けることができています。
というと・・・?
毎週、血液検査を受けるのですが、この時、白血球の数値が低いと身体の免疫力が低下しているということで、抗がん剤治療を受けられなくなるのです。実際に同じ病気で通院している患者さんたちと待合室で一緒になるのですが、「あ~今日は白血球が低くて受けられない」と残念がって帰られる人が何人もいます。私の担当の医師からは「栄養満点ですね」といつも笑って言われるほどです。
赤血球とヘモグロビンの数値が低くて気になっていましたが、それも項一先生の指導で数値が正常になりました。
何か特別な治療をしてもらったのですか?
ナツメと木耳(きくらげ)を務めて食べるように教えていただきました。
ナツメは項一先生が漢方薬と一緒に煮詰めて作っていただいたお菓子のように甘い物を食べたり、ドライフルーツになったナツメを食べました。木耳は、スープや炒め物にして食べました。
3か月くらいで効果が現れ、赤血球とヘモグロビンの数値も正常値になりました。
その他、いろいろな食べ物の効用について教えていただいています。
何か、病気や体調で不良で困っている人に一言いただけますか?
とてもステキな女性の先生なので、まずは気軽に相談されたらと思います。私も、先生が女性で、かつ熱心に話を聴いて下さったことから、それだけで救われた思いになりました。治療を受けられるかどうかは、その後で決められたらと思います。
ありがとうございました。
項一 雅子(こういち まさこ)
医療法人涼真会理事
茶屋ヶ坂東洋医学研究院・院長
https://toyoams.com/
上海中医薬大学付属日本校客員教授
東洋医学会会員
日本鍼灸学会会員
聴き手
志賀内 泰弘(しがない やすひろ)