志賀内泰弘様のご友⼈の皆様へ

志賀内泰弘様のご友⼈の皆様へ

凛とした空気の京都からこんにちは。
下⼾眞由美(おりとまゆみ)と申します。
京都で⼼に寄り添う旅案内をしております。
京都で四季の移ろいを感じるのは、空や花など彩りの変わるものと共に毎⽇のようにどこかで何かある歳時。
ぜひ、京都に浸り味わっていただきたいところを、拙著『京都癒しの旅』の中から5つ紹介させてください。

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1⽉7⽇ 貴船神社の若菜神事〜七草粥のもうひとつの意味〜 P.20

「お正⽉にご馳⾛を⾷べて疲れた胃を休めるために七草粥を⾷す」という⼀般的な解釈は
もちろんですが、貴船神社の前宮司様から教わったもの。
厳寒の季節に新芽を出す若菜の⼒をいただくということです。この解釈からとても⼒をいただきました。⾷に対する感謝の気持ちも⽣まれます。
五節句を祝うことについて、貴船の物語にも記されているそうですが、⽇本では貴船神社が発祥だそうです。
⼈⽇の節句(貴船神社では節供)、桃の節句、端午の節句、七⼣(しちせき)の節句、重陽の節句にぜひ、貴船神社にお参りください。
神事には先着順で参列ができます。

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3⽉中旬〜 京都御苑で三つの春〜梅桃桜を⼀度に愛でる〜 P.42
京都のお花⾒、どこ⾏かはりますか?
皆様、お気に⼊りのところがおありかもしれませんね。私のお気に⼊りの場所は御所です。
正式には京都御苑と⾔いますが、春が来たと感じる3 ⽉中旬、御所をぶらっとすると温かい気持ちになります。
もちろん、気温も上がってきますが、お花も笑顔で迎えてくれます。梅桃桜が同時に⾒られるそんな⽇がほんの少しあるのです。その花を愛でに近所のおじいさん、おばあさん、保育園児までもが柔らかい穏やかなお顔。その姿を⾒るだけでも幸せなこと。

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6⽉30⽇ 今宮神社・夏越の祓〜神職様のうしろを歩く P.72

京都で⽣まれ育った⼈ならきっと⼤切な⽇、6⽉30⽇=⽔無⽉を⾷べる⽇です。三⾓形の⽩い外郎に⼩⾖がのっているのですが、⽩い外郎は氷室の氷を表し、⼩⾖の⾚い⾊で邪気を祓うイメージです。
寺社には茅の輪が設らえられ、茅の輪がくぐる⼈の姿が⾒られます。
その年の前半の罪穢れを祓い、暑い夏を乗り越えようと先⼈たちが考えられたもの。毎年、お客様と共に⽔無⽉を⾷べて、茅の輪くぐりに今宮さん(今宮神社)にお参りします。今宮さんの夏越の⼤祓の神事はとても丁寧にされます。茅の輪くぐりは境内を⼤きく3 度、神職様のうしろを付いて廻るのです。そして、祝詞も⼀緒に。厄祓いができた、これで⼤丈夫と思えるものです。実際には暑くて汗が滴るのですが、とても有難い時間なのです。
神事が終わったら、あぶり餅へGO!さっき、⽔無⽉⾷べたのに、また和菓⼦ですか〜の声が聞こえそうですが、もちろん、いただきます。

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7⽉24⽇ 還幸祭神輿渡御・神泉苑〜お寺に神様がやってくる〜 P.97
京都の夏と⾔えば、祇園祭。テレビやネットで報道されない祇園祭、ご覧になりませんか?
歴史的瞬間と⾔っても⼤袈裟ではない震える場⾯を体感、私はここは外せないので毎年、訪れます。お客様とご⼀緒の時もひとりの時もありますが、時空を超えているように感じます。
祇園祭前祭(さきまつり)7⽉17⽇、⼭鉾巡⾏で清められた街を神輿が「ホイット、ホイット」と。3基の神輿が四条御旅所に1週間据え置かれます。7⽉24⽇ 後祭の⼭鉾巡⾏が無事に終わった⼣刻、神輿が⽒⼦地域を掛け声と共に廻ります。その中でも中御座の神輿が代表して神泉苑にやってくるのです。神泉苑は祇園御霊会の発祥の地だから。
⼋坂神社の宮司様と神泉苑のご住職が挨拶を交わされる、これは⾒逃すわけにいきません。
感動という⾔葉を使うと軽く感じてしまうほどの⾼揚感があります。ほんとです。

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⾟い時は、釘抜きさんか鴨川へ P.189

「あ〜⾟いなぁ、もも吉庵が近くにあったらええのに」と思わはったことありませんか?
すぐに⾏けへん、⼀⾒さんお断りみたいでちょっと⾜がすくむという時は、釘抜きさんにお
参りもおすすめです。⼤きな釘抜き⾒はったら、これで抜いてくれはって楽になれると思えた段階で悩みが半減。本堂の周りには釘抜と釘の絵⾺がいっぱい。これは御礼参りで奉納されたものです。ということは皆さん、苦労を抜いてもらえた報告に来たはるということです。
それもええけど、お参りする気分にもなれへん時には鴨川へ。ただぼぉーっとするだけ、⾵を感じるだけでもええのです。向こうには⽐叡⼭が⾒えて、なんや知らんけど包まれているような気持ちになれますし、鴨川の⽔は嫌なことを流してくれます。
お試しあれ。

京都祇園もも吉庵のあまから帖にほろりときて涙した⼈、温かい気持ちになった⼈、今⽇から⼈に優しくしようと思いながらも、なかなかという⼈。同じ⼈でも⾊々な⽇があります。
京都の街、⾃然、⼈と触れ合うことで、ふと気づいたり、ほっこりしたり。
⾔葉にすると叶うと⾔われるので、思い切ってここに書いてみます。
「志賀内さんと⼀緒にもも吉お⺟さんに会いに⾏く旅」ができたらええなぁと。
京都の街をあーでもない、こーでもないと⾔いながら、ゆるゆる歩く⼀⽇。上向いたり、下向いたり、初めて⾒るものがたくさんあることに気づく⼀⽇。

最後にもも吉庵で麩もちぜんざい⾷べられたら⾔うことなし。
あっ、志賀内さんにお伺いもせずに書いてしもうた。どないしよう。
おジャコちゃんが「ミャウ、ミャウ」って。きっと叶うということ。
こんな贅沢な時間を皆様とご⼀緒できたら幸いです。