大谷泰志さんプロフィール

心震わす本を編む、人間味あふれる編集者

高い高い「気遣い」のアンテナ持つ人間大好き人間
PHP研究所理事

  • 1964年生まれ。88年PHP研究所入所。普及二部にて法人営業に携わりながら、『PHP』誌《地域版》にて、全国の中小企業経営者500名を取材する。
  • 92年PHP編集部に移りグラビア班、特集班、ドキュメンタリー記事などを担当し、PHP増刊号(98年創刊の『PHPスペシャル』の前身)の主担当者に。『運』『話し方』『癒し』などこれまでのPHPにはなかった新しいテーマを特集に据え、隔月刊から月刊化へ。
  • 2000年より『PHPスペシャル』編集長に就任。 発行部数24万部の雑誌へ育て上げる。
  • 08年より生活文化出版部部長・編集長として『女子栄養大学の学生食堂』『一瞬で人を操る心理法則』『レクサス星が丘の奇跡』などのベストセラーの編集に携わる。
  • 14年10月よりPHP制作局長兼PHP編集部編集長、『PHPくらしラク~る』『PHPスペシャル』他姉妹誌4雑誌の責任者を務める。
  • PHP制作局局長を経て、現在PHP研究所理事
志賀内泰弘

大谷泰志さんからの年賀状

 毎年、大谷さんから年賀状が届きます。
 そこには、新聞のコラムのようなメッセージがしたためられています。
 年の初め、心がキリッとしてシャンとするように話です。
 いくつか、大谷さんの承諾をいただき、紹介させていただきます。

謹賀新年

旧年中はお世話になりました。
落語家の立川志らくさんの取材から帰った編集部のF嬢が、興奮して語るには、
「『いいことがいつまでも続くことはない』とか『運を使い果たした』なんて言う人がいるけれど、一人あたりの運の上限が決まっているとは思わない。足元にいくらでも転がっているのに、気が付かない人がいるだけ。その運を拾えば拾うほど自分の器も大きくなるんだよ」
志らくさんの言葉、いいですね。このくらい貪欲に一所懸命に取り組めば、たくさん運をつかめそうです。
志らくさんの師匠立川談志さんは、「人間囃されたら踊れ」と弟子たちに言っていたそうです。チャンスをいただいたら尻込みすることなくトライする。今年はこれで行きます。
貴方様の囃し立てをお待ちしています。

2020年 元旦

PHP編集部 編集長 大谷泰志

謹賀新年

旧年中はお世話になりました。
昨年プロ野球で四連覇を達成した福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長が球団の納会で語ったお話には唸りました。
「四連覇はもう過去のこと。来年は今年と同じような数字が出せるか、不安な気持ちがどんどん出てくる。それを取り除くためには自分を高めるしかない。前に進んで自分を大きくする。どんどんふるいにかけられて、ふるいの穴は一年一年、大きくなる。そのふるいから落ちないようにさらに自分を大きくするしかない。誰も言わないけれど、これが真理ですよ」
勝利に浮かれることなく、選手を叱咤激励した姿に、背筋が伸びました。
事はプロ野球に限りませんね。今年どれだけ自分を高め、大きくできるか。その取り組みを本日元旦から始めます。
貴方様の叱咤激励を歓迎します。

2021年 元旦

PHP編集部 編集長 大谷泰志

謹賀新年

旧年中はお世話になりました。
「いままで登った一番高いところはどこ?」
ダウン症の書家、金澤翔子さんは、ニューヨークのロックフェラービルでの取材で、記者から問われ、「お父さんの肩車!」と答えました。
どんな高いビルの最上階よりも、亡き父の肩の上のほうが高かったという。
この挿話はいつ聞いても、涙がこぼれます。
お母様の泰子さんは、翔子さんがダウン症の子として生まれたとき、「世界で一番不幸な母親」と嘆いたそうですが、いまは「世界で一番幸せな母親」と仰っています。
それは、翔子さんが五歳からひたすら書の稽古に励み、いまや世界中で個展を開くようになったこともさることながら、それ以上に、翔子さんがその魂の感受性の高さを生来宿し続けているからでしょう。
様々なことができないというハンディはあっても、心根の優しさを誰よりも持っている。ないものを憂えず、あるもので積極的に生きる。金澤さん親子に教えらえれた、そんな「しあわせの鍵」を2022年の自身のテーマにしたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。

2022年 元旦

大谷泰志

謹賀新年

先日地方の空港で、金属探知機に3つのトレーを通した時、スマホが鳴り電話に出た。話し終えトレーから荷物を取り、搭乗口まで歩いたところで、コートの忘れ物に気づいた。慌てて引き返し事なきを得た。
あの時電話に出て、気が荷物から離れたため、3つ目のトレーに入れたコートに気が付かなかったのだ。
機内で機内誌を開くと、作家の浅田次郎氏がちょうど忘れ物のことを記されていた。氏もよく忘れるタイプらしい。旅先でこそほんの1秒か2秒、振り返る手間は必要だ。いつの頃からか慌ただしく急ぐ癖がついてしまっている、と。
こういう忘れ物が増えた。新幹線に万年筆を忘れたり、ホテルにスマホの充電器を置いたまま帰宅したり。
これが旅先での忘れ物ならばまだよいが、通園バスで運転手が社内を振り返らなかったばかりに、幼児の痛ましい死亡事故が起きた。
年始早々「振り返る」というのも言葉が浮くが、日々振り返ることは大切なのだ。モノのみならず生き方も。
ご同輩諸氏がいらっしゃれば、お互いに注意しましょう♪
本年もよろしくお願いします。

2023年 元旦

大谷泰志