シングルマザー・大津たまみさんの「夢」への挑戦(その3)~シングルマザーの子供たちを応援したい!~

シングルマザー・大津たまみさんの「夢」への挑戦(その3)
~シングルマザーの子供たちを応援したい!~
志賀内泰弘

ご存じですか?シングルマザーの実態を
2013年5月のことでした。大阪府北区で母子の変死事件が起きました。食べる物が無くて餓死したのです。厚生労働省のデータによると、シングルマザーの世帯の59%が「貧困状態」です。シングルマザーの世帯数は全国に128万世帯。就労収入300万円未満が85%。平均年間就労収入は、181万円です。それでは、アパートの家賃を支払ったら、いくらも手元に残りません。これは、平成22年度の統計であり、現在は悪化の一途をたどっていると思われます。
大津さんは言います。
「制服が買えない。ランドセルや文具が買えない。遠足に行くのに、一人だけおやつを持たせてやれない。そんな家庭がたくさんあるのです」

シングルマザーの子どもたちに夢と希望の未来を!
大津さんは、2016年(株)リンクリンクを立ち上げました。それは、「貧困」に喘ぐシングルマザーたちを支援する会社です。
まず、シングルマザーの家族ためのシェアハウスを造ります。    空き家を活用して敷金・礼金ゼロで低家賃のシェアハウスです。そこでは、低予算で食事・洗濯・清掃などの家事支援を高齢者が行っていきます。また、チャイルドケアサービスも行うことで、母親の働きやすさと暮らしやすさを実現していきます。
また、母子家庭を支援する行政の窓口とネットワークを作り、「
シングルマザーを支援したい」というボランティアとの連携もはかります。例えば、勉強机やカバンなどの物品支援、経済援助をしたいという人たちと「リンク」させます。
さらに、頑張るシングルマザーが自立をするために、スキルアップの教育を行い、能力ある人材を企業に紹介する仕組みを作りました。昨今の「人手不足」の解消にも一役立つものです。

シングルマザーだから、シングルマザーたちの気持ちがわかる
大津さんは、自分自身が「貧困」と戦ってきました、だから、「貧困」の人たちの気持ちがわかるのです。大津さんは言います。
「小さな子どもが、私の息子のように一人ぼっちで過ごすことのないような社会にしたい。これは、シングルマザーの子どもたちの支援なのです。10年後、シェアハウスを全国に100ホーム造ることを目標にしています」
自分が辛かったから、同じ境遇の人たちを応援したい。そんな大津たまみさんの「生き方」に心打たれました。