お天気のトリビア③「雲の量が80%もあっても、晴れ?!」

お天気のトリビア
気象予報士 寺尾直樹

③ 「雲の量が80%もあっても、晴れ?!」
テレビの視聴者である小学生から、こんな質問が届いたことが
ある。「曇って、雲が何個あること?」。「何個?」というところが子供らしくて可愛らしい。気象予報で「曇」とか「晴れ」とかいうが、いったい何を基準にしているのだろうか。
それには決まりがある。気象台によっても異なるが多い所で一日7回。おおよそ3時間ごとに、あらゆる方角を見上げて「雲の量」が空全体で何割を占めているかを観察する。1割くらいだったら「雲量1」、2割くらいなら「雲量2」と判断。「雲量0」も含めて11段階に分類する。「雲量0」と「雲量1」なら、「快晴」。「雲量2~8」は、「晴れ」。「雲量9」と「雲量10」は「曇り」となる。
おそらく、誰もが「え?」と疑問に思うことだろう。空の8割も雲が覆っている。となると、青空の部分は探さなければわからないという状態だ。それを「晴れ」だなんて。納得できないという人もいるに違いない(私にもどうすることもできないのですが)。
だが、このことから「学び」もある。人生、いろいろある。失敗や挫折。恥ずかしい思いもする。そんな毎日ではあるが、それでも「曇り」ではなく「晴れ」だと思えば元気になれる。なにしろ、空に8割雲がかかっていても「晴れ」なんだから。

「ココロがパーッと晴れる「いい話」
気象予報士のテラさんと、ぶち猫のテル」(ごま書房新社)より