お天気のトリビア②「気象庁は金髪がお好き?」

お天気のトリビア
気象予報士 寺尾直樹

②「気象庁は金髪がお好き?」
なんでもかんでもデジタルになった。今どき、地図を広げながら
車の運転をする人は珍しいだろうし、久しく辞書を引いたり、算盤を使ったという記憶すらない。さらに時代は進み、それらを便利にしたカーナビやパソコン、電卓はたった一台のスマホで用を足すようになってしまった。
さて、雨の日には髪の毛がまとまらず、スタイリングできなくて悩む人が多いのではないか。それには科学的根拠がある。髪が湿気を含み「重く」なるせいなのだ。湿度が高いと髪は伸び、低いと短くなる。その性質を利用したのが、「毛髪湿度計」だ。毛髪なら何でもいいというわけではない。さまざまな実験の末、「金髪」が最も適しているとされている。
エジソンが白熱電球を改良した時、世界中の竹を集めて実験し、その末に日本の真竹が適していることを突き止めたという話は有名だ。それと同じように、「毛髪湿度計」を発明した科学者は、きっと世界中の民族の毛髪を取り寄せて実験したのかな?「1本ちょうだい」なんて言って・・・。
ちなみに日本の気象台では毛髪湿度計が平成5年まで使われていたが、その後、電気式湿度計に取って代わられた。

「ココロがパーッと晴れる「いい話」
気象予報士のテラさんと、ぶち猫のテル」(ごま書房新社)より