2年生だから当たり前だよ (2009/8/2)

 一宮市立黒田小学校の校長先生から便りをいただいた。この春の授業参観でのこと。「ぼくは二年生」という題材で道徳の授業を行ったという。

 「一年生の子が通学路で犬が怖くて泣いていました。早く登校し、友達とドッジボールがしたかったのですが、泣いている一年生を放っておくことができず、僕はドッジボールを我慢して一年生を連れて行きました。一年生の子からありがとうと言われ、親切にしてよかった」という内容。「何々しなければならない」というのではなく、「助ける僕」と「遊びに行く僕」との心理的な葛藤(かっとう)を子どもたちに起こさせ、思いやりや親切の大切さを考えさせるのが目的だ。

 すると、二年生の児童のお母さんである伊藤江美さんから感想の便りが届いた。

 「日曜日に、私が胃腸風邪で寝込んでしまったのですが、息子は夕食のお米を一人で洗い、炊(た)いてくれました。私が『ありがとうね』と言うと、『いいよ、いつもお母さんに教えてもらっていたからできたんだよ』と言ってくれました。私は『一人でご飯が炊けてすごいね』と言うと、『二年生だからあたりまえだよ』と。心の底からわが子を褒めてあげました。そして、水曜日。今度は息子が胃腸風邪になり、看病していると『お母さん、迷惑かけてごめんね』と大げさなくらい感謝してくれました。この子なら、友達や幼い子に対しても思いやりの心を持って接してくれるだろうなと思いました」

 校長先生はおっしゃる。「この親にしてこの子あり。そんな親に支えられた子どもがこの学校に通っている。うれしい限りです」と。