絵手紙にビニール袋の心遣い (2010/4/25)

 郵便事業会社東海支社の広報担当の方から、四月十一日付「ほろほろ通信」について問い合わせの電話があった。それは、こんな話だった。豊橋市の長岡真由美さんの家に郵便を配達してくれる人は、家の中まで聞こえるようにと大きな声で「郵便で~す!」と呼び掛けてくれるという。手紙を待ちわびる者への気遣いだ。「言葉一つで温かな気持ちになれます。いつもありがとうございます」という長岡さんからのメッセージを紹介した。

 「個人情報に支障のない範囲で、長岡さんのお宅の町名だけ教えていただきたいのです」という。「なぜですか」とお聞きすると…。「この話の配達員を特定して褒めたいのです。お客さまからさまざまな苦情が寄せられます。できるかぎり丁寧に説明やおわびをさせていただいています。でも、多くの頑張っている社員もいます。お客さまに喜んでいただいた社員を褒めることで、本人の一層の励みになればと。さらには周りの手本になってサービス向上につながることを願って」

 ちょうどその日に、瀬戸市の矢野美知子さん(82)から「私も同じ思いで郵便配達員さんに感謝しています」という便りが届いた。矢野さんは長年、絵手紙を描いている。友達からも絵手紙が届く。雨の日には絵の具がにじまないようにと、はがきがビニール袋に入っている。まだ降りだしていないけれど曇り空のときにも。

 矢野さんはおっしゃる。「なかなかできない心遣いです。一言お礼が言いたいけれどまだお目にかかれません」。広報の方からまた小欄へ問い合わせがあるかもしれない。