「おばさんのお弁当」反響続々 (2011/1/30)

 36年前、母親を亡くした河合孝治さんに、毎朝お弁当を作ってくれたおばさんがいた。「ぜひ礼が言いたい」という話を1月16日付「ほろほろ通信」で掲載。すると、当のご本人から手紙が届き、同23日付小欄でその内容を紹介した。「お弁当のことを覚えていてくれたと知り、涙があふれてきました。孫もでき元気に暮らしています」

 これを読んだ大勢の方から便りが届いた。「おばさんがこの記事を読んでくれますように、と祈っていました。良かったー!」「おばさんがお礼は十分と名乗らなかったこと。感激しました」「私も昔、父と二人きりのことがあり、周りの親切をいっぱい受けました。自分と重なって私からもおばさんにお礼が言いたいです」など。

 名古屋市千種区の佐々木かず子さん(59)からも似た話が届いた。20年ほど前、共同住宅の隣室の奥さんが亡くなられた。そこには保育園と小学四年の子どもがいた。お父さんは仕事で帰りが遅いので夕食を届けたり、遠足のお弁当を作ったりしていた。ところが、佐々木さんの義父母が病気になり、同居するため引っ越しすることに。後ろ髪を引かれる思いだったという。

 5年前、下の娘さんが「美容師になりました」とわざわざ報告に来てくれた。それがたまたまお盆供養の支度中。忙しくて玄関先でのあいさつしかできずじまい。その後転居され行方がわからなくなってしまった。「あの時、お母さんの代わりに抱いてあげればよかった」と後悔しているという。

 別の方からこんな便りも。「誰でも一人は思い出に残る人がいるでしょう。感謝の気持ちを忘れずに暮らしていきたいと思いました」