池田小学校「たった一言で」の授業

「たった一言で」の授業

池田学園副理事長・池田真実から紹介いただいた、池田学園池田小学校の黒瀬しずか先生から届いたお便りを紹介させていただきます。
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3年前。今の6年生が3年生の頃,「たった一言」の力について考えたことがあります。
たった一言で,悲しくなったり傷ついたり元気になったりするものです。
その時、クラス全員で、こんな詩を作りました。

「たった一言で」

池田小学校3年2組(3年前)
たった一言で うれしくなる たった一言で かなしくなる
たった一言で 苦しくなる   たった一言で 楽しくなる
たった一言で なきたくなる たった一言で 「ありがとう」と言いたくなる
たった一言で やる気が出る   たった一言で あたたかくなる
たった一言で さみしくなる たった一言で わらえる
たった一言でむずむずする   たった一言で 頭にくる
たった一言で 心が落ち着く たった一言で まよう
たった一言で はずかしくなる  たった一言で 落ちこむ
たった一言で いやになる たった一言で おこりたくなる
たった一言で いじけたくなる たった一言で ぐさっときずつく
たった一言で こわくなる   たった一言で 元気になる
たった一言で 仲間だと思える  たった一言で
○ 「プチ紳士からの手紙」8号に掲載

先週の金曜日,2年1組のみんなと「たった一言」について考えてみました。
これまでの経験から,どんな言葉でどんな気持ちになったのかを話し合いました。
言われて嫌な気持ちになった一言は,口にもしたくないような恐ろしい言葉もありました。それらを青い紙に書いてもらい,黒板に貼っていきました。
あっという間に黒板は青い紙でいっぱいになり,
「うわあ」
と子どもたちからどよめきの声が聞こえてきました。
こんなに傷つく一言がたくさんあったなんて。私が読み上げていくと,耳を手でふさぐ子ども,紙を見ないようにふせる子どももいました。たった一言が,だれかをどれだけ傷つけているのかを感じているようでした。
「よし,この嫌な言葉は全部消し去ってしまおう」
と青い紙を全部黒板からはがしとり,ゴミ箱の中に押し込みました。すると,
「すっきりしたあ」と,少し子どもたちに笑顔が見えてきました。
その後,「元気になる一言」を考え始めました。今度は黄色の紙に書いていきました。
「もう一枚ください」
と,子どもたちは次から次へと書いていきました。その書いているときの顔は,笑顔でいっぱい。黒板に貼っていくと,すぐに貼るところがなくなってしまいました。貼ることができなかった紙は,私が集めていきました。元気の出る一言の黄色い紙に囲まれて,みんな柔らかい笑顔になりました。たった一言の力は,無限です。

今週のたった一言
元気が出る「たった一言」で,とびぬけて一番多かった一言は『ありがとう』でした。感謝の言葉が一番多かったことは,私としてはとても嬉しかったです。
さて,今週の火曜日から,一日一つ元気が出る「たった一言」を選んで,友だちに言うことにしました。
火曜日 『すごいね』
水曜日 「じょうず」
木曜日 『いっしょあそぼう』
金曜日 「またあそぼう」
今だ!というタイミングを逃さずに,たった一言を言っていました。素直で素敵な心を持っている2年1組の子どもたちです!!
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(志賀内)

子どもたちに教えられました。
大人である私も、ついつい耳をふさぎたくなるような言葉を発していることがあります。
「いかんいかん」と思いつつも。
人に言われて嫌な言葉は、自分も使わない。こんな簡単なことを実行するだけで、
みんなが幸せになれる気がします。