「真実の話」より「新年あけましておめでとうございます」

 いつからだろうか、正月、車のフロントにしめ縄をつけなくなったのは。私が子どもの頃には、ほとんどの車が安全を祈願して、しめ縄をつけていた。最近は車だけでなく家の玄関にさえ、しめ縄がない家庭が増えている。年(とし)神様(がみさま)を迎えるためのものだが、年神様もさ迷っていることだろう。

 南日本新聞の南風録には「子どもたちがお年寄りの手ほどきで、門松やしめ飾りを作る姿に心が和む」とあった。門松やしめ縄を飾る意味も学んで、正月の風習を伝承(でんしょう)してほしいものだ。また、鏡餅を飾る際にミカンをのせているが、正しくはミカンではなく、橙(だいだい)。橙は熟して年を越しても、二~三年は木から落ちない。そこから「代々」家が栄えるようにという願いが込められている。

 ところで、表題の「新年あけましておめでとうございます」に違和感を感じた方も多いだろう。最近はよく使われるようになったので、間違いではないが、「新年」と「明ける」が重複(ちょうふく)しているので「あけましておめでとうございます」が無難だろう。