倒れても立ち上がって歩くのだ

「倒れても立ち上がって歩くのだ」

この春、一番末の孫娘が公立高校の入学試験を受けた。兵庫県では複数志願制度が設けられており、一度の試験で第一志望と第二志望の高校の合否が判定される。孫娘は、母親と発表を見に出掛けた。結果を見て、愕然としてその場で泣き出してしまったという。すぐにラインで「第二志望だった」と報告があった。合格はしたものの、行きたかった高校ではない。どう慰めてよいのかわからない。思い悩むうちに、こんな連絡があった。「発表の帰りに塾の先生に報告に行きました。先生は『あまり望まない学校だとしても、それに負けないでそこの学校の上位にいられるよう頑張ればいい。今までの努力は決して無駄にはならない』」と励ましてもらいました」。それで少しは気持ちが落ち着いたようだった。だが、そうは簡単に心の整理がつくものではない。孫娘の姉と兄からも、一緒に昼ご飯を食べながら「よくがんばったやん、よかったなあ」と労われた。声もかけられないお婆ちゃん(私)としては、何より胸が熱くなった。さて、それからしばらくしてのことだ。孫娘に、兄からラインが届いたという。妹が行くことになったN高がどんな高校か気になった兄は、自分の中学の同級生でN高に通っていた友達にN校のいいところ教えて」と尋ねたのだという。すると、すぐにたくさんの返事が返って来た。「部活が楽しかった」「先生たちが優しい」「運動会がおもしろかった」「女子の制服がかわいい」・・・など10個もの箇条書き。それを兄は、心沈んでいる妹にラインで転送してきた。普段は、妹に対してなんだか偉そうで乱暴な物言いの彼の、妹思いの一面を垣間見て思わず涙が出た。さて、その彼も実は悩んだあげくに進学せず春から社会人になる。4月から家を出て寮に入るのだ。これから数々の試練や挫折に遭遇するだろう。でも、世の中はまんざら悪いものではない、優しさと思いやりを忘れずにいたら、何度倒れても立ち上がれるはずだ。悩んだり迷ったりして選んだ道こそ、必ず最良の道なのだ。時は春。みなさん!いろいろあるでしょうが、笑って歩いていきましょう。