割り箸は「ノー」か「イエス」か

⑧割り箸は「ノー!」か「イエス!」か

新聞記事でこんな事実を知りました。日本で使われている割り箸の90%は、中国などアジア各国の山林から切り出された材木で作られているというのです。その後の山は、植林されることなく禿山のまま。これが地球温暖化や水害の原因になっているといいます。
さて、「マイ箸運動」という活動をしている団体があるそうです。料理屋さんに入ったとき、いつも自分専用の箸(マイ箸)を持ち歩いていて、お店で用意された割り箸を使わないことで、無駄な伐採を防ごうというのです。
経済の原則。需要がなくなれば、供給する人もなくなるという理屈です。
コツコツですが、素晴らしい活動です。小さな運動かもしれませんが、実行する人が増えれば本当に日本、いや世界を動かす力になるかもしれません。
ところが、です。よくよく考えてみると、小さな矛盾が隠されていることに気づきました。繰り返しになりますが、日本国内で使われている割り箸の材料の90%は、中国などの山で切り出されたものが材料です。でも、残りの10%は、日本の山の間伐材なのです。
消費者・・・つまり、レストランで食事をする人は目の前の割り箸が日本の間伐材でできたものなのか、それとも、外国の非間伐材から作られたものなのかわからないのです。 マイ箸運動に参加している人が、割り箸は全部「ノー!」と言ってしまうと、日本の山を守り林業を支えるために、間伐材の利用方法を工夫して割り箸を作っている人たちが生活できなくなるのです。アジアの山は守れるかもしれませんが、同時に日本の山を荒廃させることのお手伝いをしていることになってしまう。エコロジーとはなかなか難しいものです。
そこで、なんとか両方の問題を解決する方法がないかと考えてみました。そこで一つの提案です。国内の間伐材から作った箸には、「間伐材シール」という目印を貼るのです。箸だけではありません。家具や家庭雑貨など、あらゆる間伐材から作った商品にこのシールを貼り消費者に知らせるのです。家庭ごみの分別をしたりクールビズを心掛けたりするのと同じような感覚で、「間伐材シール」の付いた商品を買い求めることで環境保護に貢献できるわけです。
思い付きではありますが、いつかこのプランを具体化できたらいいなぁ、と思っています。