里親さん探しています (2006/8/26)

 四日付の「ほろほろ通信」で、児童養護施設から里親として幼い子どもを受け入れている人の話を紹介した。お孫さんたちも正月、大型連休、盆の年に三回の来訪を楽しみにしているというお話だった。

 これを読んで、児童養護施設で副園長を務めておられる小川美恵子さん(48)からお便りをいただいた。子どもたちの世話に「時間外」という言葉はない。そのため疲れ果ててしまう。施設の里親さんは最初、職員が休暇を取れるようにと始めたことだという。

 ところが、たった五日間でも里親さんのところで温かい家庭を味わった子どもたちは、素直になって笑顔で帰って来る。「子どもたちにとっても良いことなんだ」と、小川さんはうれしくてほっとしているそうだ。

 今年も七月の末ごろになると、次々と子どもたちの行き先が決まっていった。そんな中、たまたま里親の申し出がない男の子がいた。施設には一つ年下の妹もいるが、こちらは早々と里親が決まっていた。

 その男の子が小川さんのところへやって来た。「僕、どこの里親さんのところへ行くの」と小声で言う。すぐに返事ができなかった。

 施設で暮らす子どもの数が年々増える一方で、里親不足に悩んでいる。そのため、兄妹が別々のお宅で世話になることも珍しくない。続けて訴えるような目をしてこう言われた。「なんで僕、里親さんに行けんの」と。便りはここで終わっていた。

 気になって仕方がなくて、小川さんに電話をして聞いてみた。「あの男の子はどうなりましたか」。すると、職員の方に映画とプールに連れて行ってもらったという。大喜びだったそうだ。もし「わが家でも里親を」とお考えの方は、最寄りの市町村の社会福祉協議会までお問合せください。