自由研究『ありがとう』 (2006/9/16)

 招待状が届いた。送り主は、十一歳の男の子。七月二十八日付「ほろほろ通信」で、小中学生の皆さんに夏休みの宿題を出した。「ありがとう」という言葉を休みの間に何度も使ってみよう、という提案だ。そして夏休みの終わりに、何が起きたか報告してほしいとお願いした。これを読んだ一宮市中島小学校五年の田中力跳(りきと)君が、なんと「ステキな言葉・ありがとう」と題して夏休みの自由研究に取り上げてくれた。

 この自由研究は、クラスの代表に選ばれて四-六年生全員の前で発表することになった。その発表会を「ほろほろ通信」のおじさんにも見に来てほしいというのだ。うれしかったが疑問がわいた。どうやって研究したのだろうか…。

 発表を聞いて、目からうろこが落ちた。まず、自分が誰かに「ありがとう」を言ったとき、相手はどう対応したか。逆に「ありがとう」を言われたら、どういう気持ちになったか。それらを夏休みの間中、何人もの人を相手に細かく記録し、書き出したのだ。

 宅配便を届けてくれたお兄さんに言ったら「ありがとう」と応えてくれた。「優しい人だなあ」と感じた。自分も元気になった。「ありがとう」は、すごいパワーの詰まっている魔法の言葉だということが分かった。

 力跳君は今は一日五回くらい「ありがとう」を言うそうだ。これからは「おはよう」「おめでとう」「大丈夫?」など、人を元気にする言葉をいっぱい言いたいとも-こんな素晴らしい発表を「どうもありがとう」。