温かいおせっかい (2006/10/21)

 知多市美浜町にお住まいの彦坂清恵さん(51)から「あきらめきれなくて。教えてください」というお便りが届いた。

 八月二十六日付「ほろほろ通信」で、児童養護施設での里親不足の現状を紹介した。お盆の五日間、兄だけが里親が見つからず施設に残ったという兄妹の胸のつまるような話だった。

 彦坂さんはそれを読み早速、地元の社会福祉協議会や児童相談センターなどに相談した。ところが「長期的な里親制度はあるが、正月や大型連休だけという短期的なものはない」と言われたという。ならば、近隣の市町村で探してみようと電話をかけまくったが、募集している児童養護施設が見つからなかった。そこで冒頭の書き出しの便りをいただいたのだった。

 彦坂さんいわく「世の中は平等とは言うものの、やむを得ない事情でつらい目に遭っている子どもたちがいる。このことを日ごろから理不尽だと思っていた。五十歳を過ぎて、子どもも高校二年、中学三年と大きくなり、今度は世の中のために少しでも役立ちたいと思っていた。そんな矢先の記事だった」という。

 そこで、前回のお話に登場した一宮市の児童養護施設の副園長小川美恵子さんに連絡。お二人の取り持ちをさせていただいた。美浜町と一宮市では、いかにも離れすぎていると心配したが「遠くてもかまいません」という一言でご縁がつながった。今度の正月には、新しい里親が誕生する。彦坂さんはご自身のことを「おせっかいおばさん」とおっしゃる。こういうおせっかいなら大歓迎。

 施設によって条件や事情が異なる様子。里親については県の児童家庭課=電052(954)6281=で相談に応じてくれる。