みんなキラキラ (2006/12/31)

 いきいきとした小学校の話が、扶桑町の水野有里子さん(39)から届いた。水野さんの長男は扶桑町高雄小学校の三年生。そのクラスの学級目標は「きらきら」。担任の先生が「みんなが得意なことや、すてきなところを伸ばしあえるクラスになれたら」という願いから付けられたそうだ。

 黒板の上に三十一個の星が描かれた大きな紙が張ってある。星一つ一つには顔があり、それは三十人の子どもたちと先生。そして真ん中には「きらきら」という文字。

 たとえば、先生は子どもたちの絵の作品に全員違ったコメントを付ける。「グラデーションがいいね」「個性的だね」「きれいな色だね」。とにかく、輝くところを見つけて褒める、褒める。それが「きらきら」のゆえんだ。

 水野さんの長男が誕生日のときには、給食の時間にクラス全員で乾杯をしてもらった。牛乳で。楽しみにしていた音楽発表会に風邪で参加できなかったことがあった。あとで連絡帳を見たら「水野君のぶんまで頑張るぞ」と、みんなで言って発表会に臨んだということが書かれていて、本人は悔しいながらもうれしそうだったという。

 このクラスの先生は、大学を出られて一年目だという。水野さんは「若いけれど、みんなに光を当ててくださり頭が下がります。何かあると先生のせいばかりにしがちだけど、子どもたちのことを一生懸命に考えてくださる先生がいることを知ってもらいたくてペンを執りました」と。きっと先生にとっては、全員が輝く星に見えるのだろう。