続々!救急車・消防車の「ありがとう」 (2012/7/1)

 六月十七日付「ほろほろ通信」で、車の運転中に救急車のサイレンが聞こえたので路肩に寄せて道を譲ったら、追い抜いて行く瞬間に「どうもありがとう」と言われたという話を紹介した。すると、愛西市や弥富市などあちこちで「私も同じ体験をした」という便りが何通も届いた。いずれもうれしくて感動したという。

 その中の一人、名古屋市港区の熊沢美枝子さん(65)の話。娘さんの運転する車で同市中川区かの里の辺りを走っていたところ、後方から消防車のサイレンが聞こえた。路肩に止めると追い抜いて行く瞬間「ありがとう!」という若い男性の声が。娘さんと「今、ありがとうって言ったわよね」と確かめるように顔を合わせた。明るくて爽やかな声。きっとすてきな人に違いないと勝手に想像し、会う人ごとにその出来事を話し、楽しい気分で一日を過ごすことができた。

 熊沢さんは普段から「ありがとう」を口にするよう心掛けているという。毎朝、仏壇にお水とご飯をお供えしてご先祖様に手を合わせる。「昨日は一日、無事に過ごさせてもらってありがとう」。旅行から帰ってもすぐに「無事に帰って来られてありがとう」。電車の中で若い女性が腰を寄せて席を詰めてくれた時も、すかさず「ありがとう」と言うと喜んでもらえる。

 「だからかどうかわかりませんが、消防士さんの予想外の『ありがとう』に感動したのかもしれません。出動中の緊迫した空気の中でも他人に対する思いやりを表せることは素晴らしいと思いました。ぜひお顔を拝見したいと思ったほどでした」と言う。