23「人間は自分のことはわからない・・・」池波正太郎著「男の作法」新潮文庫より
池波さんは若い頃、料理屋さんに入って、くわえ楊枝のまま外に出ようとした。そのとき、「みっともないからおよしなさい」と人から注意されたそうです。ここで、「何だ、お前にそんなことを言う資格があるのか。お前だって・・・」と言ったら、お仕舞いだというのです。「人間、自分のことはわからない」だから、他人の言うことは素直に聞かないといけないと。
なぜか、他人のことはよく見えてしまうのですね。だから、自分はついつい「立派な人間」だと思ってしまう。すると、人の批判はできるけど、人の意見を受け入れることができなくなってしまう。これは、人として、永遠の課題なのでしょう。