30「してやるは恩着せ させてもらうはお布施」

 近所のお寺の門前に、この言葉が張り出されていました。和尚さんが書かれたものです。

 ついつい口にしてしまいがちです。「なになにしてやったのに」と。恩着せがましいと、せっかくの好意も嫌われてしまいます。「なら、してもらわなくてもいいよ」と。「させてもらう」という気持ちを常に保つのは大変です。

 レストランに入っても、「食べさせていただく」。タクシーに乗っても、「乗せてもらう」。この気持ちがあると、仮に接客サービスが悪くても腹がたちません。「させてもらう」は、自分の心が軽くなる魔法の言葉です。