メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」第83回「こんなスゴイ友達を紹介します!「日本講演央新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」(第三回)~日本講演新聞編集長・水谷もりひとさん~」
メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」
第83回「こんなスゴイ友達を紹介します!
「日本講演央新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」(第三回)
~日本講演新聞編集長・水谷もりひとさん~」
☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。
いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。
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日本講演央新聞を購読されている方も多いと思います。
全国で開催された著名人の講演会の講演録と、編集長・水谷もりひとさんの社説で有名な新聞です。
以前、私が編集長を務めていた月刊紙「プチ紳士からの手紙」に、水谷もりひとさんが書きおろして下さった「至高のエッセイ」を順に、アップさせていただきます。
どうぞ、お愉しみください。今日は、その第三回です。
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日本講演新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」第三回
「弱い人たちのものすごい力」
水谷もりひと
ある日の早朝のことです。
大場さんは一番信頼できる施設長の下村さんに「相談がある。二人だけで話がしたい」と耳元でささやきました。
下村さんは側にいたスタッフを部屋の外に出てもらい、大場さんと向き合いまし
た。ベッドに座り直した大場さんは小さな声でこう言いました。
「お腹にどうも赤ちゃんがおるごたる。産んでもよかろうか」
下村さんは「どうぞ。きっと大場さんによく似て、色の白かよか赤ちゃんですよ」
と優しく微笑みました。
大場さんはなおも緊張した表情で言いました。
「産むのは産みきろうばってんが、私は育てきらんと思う。育てるのはあんたに手伝うてもらえんやろうかと思って、それば悩みよるとたい」
下村さんは約束しました。
「もちろんお手伝いします」
その言葉を聞いて安心したのか、大場さんはまた眠りにつきました。
福岡県にある「宅老所よりあい」の施設長・下村恵美子さんの書いた『98歳の妊娠』には、同施設で暮らすいろんな認知症のお年寄りの物語が綴られています。
この施設のことを知ったのは、ある月刊誌に連載されていた「第2宅老所よりあ
い」の村瀬孝生所長のエッセイがあまりにも面白かったので、村瀬さんや「よりあい」のことをネット検索していたら、下村さんの本に辿り着いたというわけです。
村瀬さんのエッセイにはこんな話が載っていました。
「先生」と呼ばれている人がいます。
昔学校の先生をしていたので、「先生」です。
「先生」は書道家で、いつも半紙に筆文字を書いています。
徳川家康の「人の一生は…」とか、芭蕉の句、「五月雨をあつめてはやし最上川」とか。
創作意欲と鍛錬の気持ちは絶えることがありません。
書いたものは丸めて輪ゴムで止め、それを朝出勤してくる職員にプレゼントします。
しかし、みんなにプレゼントするわけではありません。「先生」には好きな人がいます。
30代のSさんです。
Sさんが来ると、名前を呼んで駆け寄り、「ほら」と言って渡すのです。
渡した後、必ず「ひひひひ」と笑います。
もらえない職員が「先生、私たちにはどうしてくれないの?」と責め寄ります。
すると「ひひひひ」と苦笑しながら、仕方なく他の職員にもプレゼントします。
そのとき、決まってSさんの名前を呼んで渡すのです。
「先生、名前が違いますよ」とまた責めると、「先生」はいつも「ひひひひ」と苦笑して逃げるのです。
これがお決まりの施設の朝の光景なのだそうです。
こういう話を聞くと、なぜかホッとしますよね。
人は病気になったり、介護が必要になったりすると、ありとあらゆる力がなくなります。
そばに誰かがいないと生きていけなくなります。
そのとき、その人たちはものすごい力を周りの人に与えていると、作家の高橋源一郎さんが言っていました。
高橋さんは、ある小児病棟で、重い障害をかかえた子どもの母親と出会いました。
とても明るい女性でした。
高橋さんは彼女に声を掛けました。
「どうしてそんなに明るいんですか?」
「明るくしてなきゃやってられないということもあります。
それから子どもと一緒にいることが嬉しいんです」と母親は言いました。
小児病棟にいた他の母親もみんな同じようなことを言いました。
自分がいなければ生きていけないほどの弱い存在の相手から、ものすごい力をもらっている母親たちがそこにいました。
実は、親を育てているのは子どもなんですね。
支え合う温かい社会をつくっているのは障がい者や介護が必要な病弱な人たちなんです。
そういう人たちがいなかったら、人間は上へ上へ目指すに違いありません。
でもそういう人たちがいるおかげで、「上へ」ではなく、「奥の方へ」、足を踏み出すきっかけがもらえているのではないかと思うのです。
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