建設業で本当にあった心温まる物語4(その3)
建設コンサルタントの降籏達生さんが、『建設業で本当にあった心温まる物語』の第四弾を発行されました。
建設業従事者、建設業と関わりのあった方より実話に基づく『心温まる物語』を収集し、
厳選してまとめた本です。
思わずホロッとくる話が詰まっています。
以前、当メルマガで、その中から2つを紹介させていただきました。
その後、某大手建設業の女性社員さんから、
こんなエピソードが届きました。
ここに、その「いい話」を紹介させていただきます。
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建設業界に入ったきっかけは父とのDIY
ペンネーム ORさん
私の父は建設会社で土木工事の施工管理をしています。現在は管理職になり、内勤ですが、私が子どものころは建設現場で仕事をしていて、毎日帰りも遅く、休日も仕事に出かけることが当たり前でした。学校の行事も運動会以外は全て母任せ。父に勉強や学校のことで叱られた記憶もあまりありません。私は父がどんな会社をしているか、ほとんど知らなかったと思います。父は家では仕事の話はしない人だったので、母からたまに聞く程度でした。
私が小学生のころ、父は県外の高速道路を造る現場に行っていた時期があり、当初は単身赴任をしていましたが、のちに自宅から通勤するようになりました。早朝に家を出て、帰宅するのは夜中。仕事で疲れている中、家族のために単身赴任をせず何時間もかけて県外の現場へ通勤している父が今でも印象に残っています。
子どものころの父との思い出といえば、今で言うDIY(Do It Yourself)です。私が小学生の時に自宅を新築し、庭は父が週末ごとに少しずつ自分で造っていました。ブロックの塀を積んで、フェンスを設け、アプローチの石を張り、庭石を配置して庭木を植えて…そんなことを毎週手伝っていました。当時はただ面白くて手伝っていただけですが、今にして思えば私の進路に少なからず影響を与えていたのだと思います。
私が土木工学を専攻し、ゼネコン(綜合建設会社)に就職するか悩んでいたころ、父は「建設業界はまだまだ男社会だから、女の子は苦労するぞ」と言いましたが、特に反対はしませんでした。私が父と同じ仕事を選んだことを父がどう思っているか聞いたことはありませんが、今では実家に帰ると父とよく仕事の話をします。いつか父と一緒に仕事ができれば嬉しいです。
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いかかでしたか。
泣かせるセリフです。
「女の子は苦労するぞ」
別に、反対しているわけではないのです。
心配しているだけ。
でも、心のうちは嬉しくてたまらない。
いい親子ですねぇ。
「子は親の背中を見て育つ」といいます。
まさしく、そのお手本のようなお話ですね。
『建設業で本当にあった心温まる物語』の
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