サービスエリアの「おもてなし」(1)
ネクスコ中日本に届いたお客様からのサンキューレターを紹介します。
いずれも、高速道路のサービスエリアでの出来事です。
「ラーメンネギなし」
トラックの運転手という仕事柄、よくサービスエリアで食事をします。
お気に入りは、ラーメンです。でも、ネギが苦手なので、注文はいつも、
「ラーメンネギなしで」
とお願いします。あまりにもよく行くので、私の顔を見ると「ネギなしですね」と覚えてくれている店員さんもいます。
ある日、いつものように「ネギなし」を注文した時のことでした。
「代わりに、ホウレンソウをお付けしましょうか?」
と店員さんに言われました。何十年も通っていて初めてのことでした。苦手なものを覚えていてくれるだけで十分なのに、代わりに野菜を添えてあげようと思いつくなんて、その優しさに心を打たれました。何より、私の健康を気遣ってもらったようで、嬉しかったです。
ありがとうございました。
なんとなく、高速道路のサービスエリアっていうと、観光地のドライブインのように「一回限りの利用」のように思い込みがちです。でも、トラックの運転手さんたちにとっては、「いつものお店」なんですね。だからこそ、こういう気遣いが心に沁みる。また行きたくなるお店というのは、こういうことなんですよね。
「お兄ちゃんのカレー」
その日は、二番目の子が生まれて初めて、遠く離れた夫の実家へ孫の顔を見せに行く途中の出来事でした。
小学1年生の長男は、「サービスエリアでカレーが食べたい」と楽しみにしていました。ところが、いざお店に行くと、あいにく子供用にカレーはなく、普通のカレーのメニューだけでした。しかも、辛さの順に「1番」からマイルドな「4番」まである本格派です。息子は、我が家で作る「甘口」のカレーしか食べたことがありません。
弟が生まれて、長男は少し駄々をこねるようになっていました。その日も「大人のしかないよ」と言っても聞きません。仕方がないので、店員さんに「子供が食べるんですが、辛くないですか」と尋ねました。すると、
「4番の辛さならお子様でも大丈夫だと思いますよ」
と言い、
「よろしければ、お味見されますか?」
と、スプーンに一匙、味見用のカレーを差し出してくれました。これには、私も息子もびっくり。カレーの味見なんて、初めてです。そんなサービスは受けたことがありません。もしかすると、その店員さんは、私たちの会話をそっと聞いていてくれたのかもしれません。
カレーはとても美味しく、息子も残すことなく喜んで平らげました。
実家に着いて、お爺ちゃん、お婆ちゃんに会うなり、
「ぼく、大人用のカレー食べたよ。もうお兄ちゃんだもん」
と誇らしげに報告。自信がついたのでしょうか。あれから、いろいろなことでお兄ちゃんらしくなったみたいです。ちっちゃなきっかけで、子供は成長していくみたいですね。夏休みを締めくくる思い出を、ありがとうございました。
私も経験がありません。カレーを一口食べさせてくれるなんて。子供に愛されるお店は、家族に愛されます。繁盛しているお店は、たいてい子供に親切ですね。