メルマガ【志賀内泰弘の恩送り通信】第1回「こういう生き方をしたい~『客家の法則』」

メルマガ「志賀内泰弘の恩送り通信」
第1回「こういう生き方をしたい~『客家の法則』」

 ☆今の私があるのは、友人・知人・両親・親戚・先輩・同僚・心の師など大勢の人たちの「おかげ」です。
いただいたたくさんの「御恩」を次の人へと「送る」ために、新作や約3.000本のアーカイブスから厳選してお届けします。
名付けて「志賀内泰弘の恩送り通信」です。
今日は、その記念すべき第1回です。
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 拙著「毎日が楽しくなる17の物語~ようこそ「心の三ツ星レストラン」へ」(PHP研究所)他に何度も掲載し、講演会でも必ず披露していたエピソードがあります。
 それが、「客家の法則」です。
 ギブアンドギブ。
 見返りを期待せずに、人に「与える」続けることこそ、仕事も人生も上手くゆく秘訣であることを教えてくれるお話です。

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     「客家(はっか)の法則」 

中国南部の福建省に客家(はっか)という少数民族がいます。
元々は中国全土を支配していた漢民族の末裔らしいのです。
しかし、大昔、北方民族が攻めて来た際に、難を逃れて今の地にやってきました。
彼らは特殊な建築様式の家(客家土楼)に住んでいます。
イタリアのコロッセオのように、円型の外周部分が三、四階建てになっていて、各階に何軒もの家族が住んでいます。
ちょうど中庭の見下ろせる高層筒型アパートといったイメージです。

入口を閉じると、外敵も侵入できません。
中には、長期に篭城できるために、ブタやニワトリなどの家畜を飼っています。
遠い祖先たちが、多民族との戦いに追われて南下したという歴史が、こうした強固な閉鎖社会を作り出したのです。
しかし、少数民族にもかかわらず、世界中の華僑の大富豪や鄧小平、リ・クワンユー、孫文など有能な指導者を輩出したことでも知られています。

ここの村(建物)の長老に、テレビ番組のレポーターがこんな質問をしました。
「なぜ、この小さな村は優れた人物を大勢輩出しているのですか」
すると、長老いわく、
「この村には、こんな教えがあるんじゃ。
右隣の人に親切にしてもらったら、その人にお返しをしてはならない」
と言うのです。
それは妙だな、親切をしてもらったらお礼をするのは当然じゃないかと首を傾げていると、長老はこう続けました。

「右隣の家に人に親切にされたら、反対の左隣の家に人に親切をしなさい」と。
ハッとしました。
眼から鱗とはこのことです。
円型ドームのアパートみたいな住まいなので、次々に親切をぐるぐると回して行けば、いつの日か回りまわって自分に還ってくるというわけです。
そういう「生き方」を実践して、多くの偉人を輩出してきたのです。

もうおわかりですね。
「あなたの」住んでいる町。
「あなたの」通っている学校や職場。
「あなたの」入っているサークル。
そんな小さな「グループ」の中で、「親切」をぐるぐる回すのです。
「あなた」が受けた「一つの親切」が、「あなた」が「次の人」に送ったことで、何倍、何十倍、何百倍にも増えて、「親切でいっぱい」の住みよい国になるのです。

おそらく、疑問が湧いてくるでしょう。
「客家の法則」は、「親切」の話でしょうと。
「こころ」は大切。
「おもいやり」がいっぱいになれば、住みよい世の中になる。
でも、キレイな「こころ」だけでは、生きていけない。
先立つもの・・・「お金」がなけりゃ生きていけないよって。
その通り。
「こころ」、つまり「一人ひとり」の「生き方」の話です。
でも、でも・・・。

「親切」を「お金」に置き換えてみると、びっくりの事実がわかります。

もし、あなたが、友達から、
「いつもありがとう。日頃の感謝の気持ち。京都のお土産だよ」
と言われ、八つ橋(千円相当)をもらったとしましょう。
今度はあなたが、沖縄へ旅行に出掛けてサーターアンダギー(千円相当)を買ってくる。
でも、
「この前、八つ橋をくれてありがとう。これ、お土産ね」
と渡すのは「恩返し」です。
人として当たり前の行為ですが、
これだと二人の間だけで、完結して終わってしまいます。

そこで、「恩返し」するのではなく、
別の友達にお土産を渡すのです。
その、お土産をもらった友達は、また別の友達にお土産を買ってくる。
そしてまた、お土産をもらった人は、
次から次へとプレゼントをぐるぐる回していく。
すると、どうなるのか?
もうお分かりですね。
「恩返し」だと、二人の間だけで、千円+千円で2千円にしかなりません。
ところが、「恩送り」だと、
最初、「喜んでもらいたいなあ」という「温かな気持ち」で買ってきた友達のお土産(千円相当)が、お金に換算すると、
10人なら1万円に、
100人なら10万円に、
1.000人なら100万円に増えるのです。
もし、「お土産をくれた」人への「恩返し」と別の人への「恩送り」の二つをしたら、さらに×2となり、千円が200万円になるのです。

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さて、ここで、元・(株)モスフードサービス専務取締役で、現在office igatta代表としてコンサルタントとして活躍をしておられる田村茂さんとの出逢いのエピソードを紹介させていただきます。

ある日、高野登さん(当時、元ザ・リッツ・カールトンホテル日本支社長)から電話がありました。

「今夜、八丁堀のワインバーで会をするんですが、来られませんか?」
どうも仲間内の気軽な飲み会のようです。
もちろん、「はい」と答えて新幹線に飛び乗りました。

到着するなり、高野さんは、「こっちこっち」と呼びます。
そして、
「実は、今日、志賀内さんを誘ったのは、この人を紹介したかったからなんです」
と言われました。
目の前の席に座っていたのが、田村茂さんだったのです。

名刺交換をすると、高野さんがおもむろに私と田村さんの手を取り、
握手をさせて、その握手の上に自分の手を置きました。
「二人は、絶対に波長が合うと思うんです。
良いお付き合いをしてくださいね」

すると、田村さんはこんなこんな話をされました。
「高野さんから志賀内さんの書かれた『客家の法則』の話を読ませていただきました。
実はですねぇ、モスバーガーの創業理念に『盥(たらい)の水』という法話と同じなんですよ」

説明をするまでもないと思います。
盥いっぱいに水を張り、その上に、一枚の葉っぱを浮かべる。
そして手で、「こっちへ来い」と書き寄せると、その葉っぱは「向こう」へ行ってしまう。
今度は、「あっちへ」行けと手で水を押しやると、葉っぱは「こっち」へ来る。
人間の欲についての教えで、「欲しい欲しい」の望む者は、結果、貧しくなる。
人の為に施す者は、自ずと富むという逸話です。

これぞ、「客家の法則」の話と同じ理念だったのです。↓
 https://shiganaiyasuhiro.com/project-favor/

すべての幸せは、人とのご縁で生まれる。
だから、ご縁を大切に紡ぐ人が幸せに導かれるのですね。

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☆☆☆志賀内泰弘公式サイト☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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ここに集まる「いい話」の主人公に共通するキーワード。
それは、ギブアンドギブ! 「利他の心」です。
忙しい毎日をお送りの皆さんに、日々の生活からちょっぴり途中下車して、志賀内とその仲間(賢人・奇人・変人・達人) たちの「ハートフルな感動物語」をお楽しみいただき、心の癒しにお役に立てたら幸いです。

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