「いい話のノート」より・・・パート2

 以前、本紙「心にビタミンいい話」で特集しました(株)ユタカファーマシーさんは、大阪・京都・滋賀・愛知などに155店舗のドラッグストアを展開しています。遠くのお宅まで配達したり、お子さんの手を引いて一緒に買い物をしてあげたり、車までお米や水など重い物を運んで差し上げるのが当たり前のハートフルなお店です。そんなドラッグユタカさんの社員やアルバイトさんたちが休憩時間に綴った「ちょっといい話ノート」から紹介させていただきます。今回は、その第2弾です。

(その1)築捨店(岐阜県) Aさん

 夕方、コンビニへ行き、レジの前で買い物を手にして並んでいたときのことです。
レジが込みだしたので、お店のスタッフが別のスタッフに、もう一つのレジを開けるように声を掛けた時のことでした。
その時です。次が自分の番という女性が、「私は後でいいから先にどうぞ」と後ろの若い男性に言いました。
結局、もう一つのレジがすぐに開いたで、次の順番だった男性は列を離れて隣のレジへ行きました。
若い男性は、会計を済ませると、元のレジのところへやって来て、「先にどうぞ」と言ってくれた女性に「お先にすみませんでした。ありがとうございました」と一礼されました。
譲った人も、譲られた人も、サラッと当たり前のように行動しておられて心が温かくなりました。

志賀内泰弘

順番を譲ってもらったことは、忘れせれません。沖縄の100円ショップで似たようなことがありました。こういうことは、マネしなくちゃ、と思ってはいても、ついつい・・・。

(その2)佐屋店(愛知県) Nさん

 いつも、車いすで来られるお婆ちゃんがいます。
買い物をしている時、「お手伝いしましょうか?」と声をかけるのですが、いつも「用があったら呼ぶからいい」とおっしゃいます。
ちょっと遠巻きに見ていて、高いところのシャンプーが取りにくそうだったので、「はい」と取って差し上げました。無言で受け取られたので、「おせっかいではなかったんだな」とホッとしました。しばらく車いすの後ろを付いて行き、次々に商品を取って差し上げました。またまた、
「何かあったら呼ぶから、あっちへ行け」
と言われたので、そばから離れることにしました。一人でお買物を楽しみたいという気持ちはよくわかります。
気が付くと、いつの間にか会計を済まされ帰られたようでした。
それから2日のことでした。
そのお婆ちゃんがやって来て、私のところへ。
「あんた優しかったから、これあげる」
と言い、柿と折り紙を下さいました。ちょっと愛想が良くないなぁ、と思っていたお婆ちゃんは、実はとても優しい方だったのでした。

志賀内泰弘

「おせっかい」と「親切」の境界線て難しいんですよね。とことん、「おせっかい」をした人にだけ、その境界線は見えるようになるようです。だから、少々有難迷惑と思われても「おせっかい」をしましょうと勧めています。

(その3)墨俣店(岐阜県) Mさん

 息子が、学校から帰って来て、お弁当箱を返しに来ました。
洗おうとしてフタを開けると・・・。
「いつもありがと」
と手紙が入っていました。

志賀内泰弘

うわぁ、泣けるなあ。息子さん、やりますねぇ。きっとクラスの女の子たちにモテるでしょうね。

(その4)福知山厚中店(兵庫県) Eさん

 「炭酸ソーダはありますか?」
というお客様が来られました。残念ながら、うちの店の定番商品ではなく、お取り寄せになってしまいます。
ところが、そのお客様は「こんにゃくを作るのに必要なんだけど、今、作り始めているところで、注文では間に合わない」
とのこと。慌てて、うちの他店に電話で確認しましたが、やはり在庫がありませんでした。
そこで、近隣競合店の「○○薬局」さんに電話をすると、「ありますよ」との返事。早速、お客様に知らせると、
「本当にありがとう。あんたらからしたら、敵なはずなのに、その気持ちが嬉しいわ」
と喜んでいただけました。

志賀内泰弘

これこそ、ギブアンドギブの真骨頂ですね。すぐには利益に繋がらないけれど、必ずグルッと回って還ってくる。こういうお店で私も買いたいです。