「いい話のノート」より・・・パート5

 以前、本紙「心にビタミンいい話」で特集しました(株)ユタカファーマシーさんは、大阪・京都・滋賀・愛知などに166店舗のドラッグストアを展開しています。遠くのお宅まで配達したり、お子さんの手を引いて一緒に買い物をしてあげたり、車までお米や水など重い物を運んで差し上げるのが当たり前のハートフルなお店です。そんなドラッグユタカさんの社員やアルバイトさんたちが休憩時間に綴った「ちょっといい話ノート」から紹介させていただきます。今回は、その第5弾です。

(その1)南郷店(滋賀県)) Aさん

 スタッフのKさんはレジで、日頃からシャンプーやコンディショナーをお求めのお客様で、どちらかを2個持って来られた方に、
「シャンプーをお2つでよろしかったですか?」
と声掛けするようにしてくれています。

 大体の方はわかって購入されているのですが、中には、
「あやうく間違えて購入するところやったわ、ありがとう」と言って頂いく方もおられ、お節介と思われる方もおられるとは思いますが、声掛けの大事さを改めて認識しました。

志賀内泰弘

「おせっかい」こそ、「おもてなし」の原点ですね。「おせっかい」と言われたりすることもあるでしょうが、「だから言わない」という接客は、知らない間にお客様を遠ざけることになります。

(その2)祝園店(京都府) Wさん

 東舞鶴に「エッセン」というパン屋があります。ここのパン屋はカレーパンがおいしいと評判で、月に2~3回買いに行っています。

   先日も、このカレーパンを目的にエッセンへ買い物に行きました。その際、カレーパンが3個店頭にあったので、そのうちの2個を購入しようとレジへ持って行きました。するとレジの女性(オーナーの奥さん)が、

「あと5分程で揚げたてのカレーパンができるのでどうですか??」
と言われました。揚げたての方が良かったのと5分程度であれば待ってもいいかと思いましたので、

「じゃあ、5分待っています」
と返答し待っている事にしました。

「できたらお車まで持っていきます」
との事でしたので車で待つことにしました。そして5分後、車まで持って来てくれました。中にはカレーパンと購入した覚えのないラスクが入っていました。奥さんより、

「お待たせしましたので、お詫びにラスクを入れておきました」
と伝えてくださりました。あと5分で揚げたてのカレーパンがもらえる事を親切に教えてくださった上に、待たせたお詫びにラスクをおまけで下さった行動に対する親切な対応及びこころにとても感動しました。そして私自身も次も絶対に来たい気持ちになり、これがまさにお客様のハートを掴む行いであり、ファンづくりであると思いました。店舗でもこのような事を応用できるようにしたいと考えた次第です。

志賀内泰弘

お店の側としたら、古い商品から売ってしまいたいものですよね。でも、それより「お客様に少しでも美味しいものを提供したい」という気持ちが先になったのです。こんなお店だから繁盛するのでしょう。ああ~このお店のカレーパンが食べたくなりました。

(その3)海津平田店(岐阜県) Tさん

 先日、三重県の長島にあるアウトレットパークに行った時の話です。連休の午後で駐車場がかなり混んでいて、私の車は店舗よりずいぶん離れたところに止める事になりました。

 店舗に向かって歩いていると交通整備の警備員の方が、
「お客様のお停めになった駐車場はオレンジのG。オレンジのGです。これを忘れてしまうと約1万台以上の中からお車を1台1台探すことになってしまいます」などと言ってマイクパフォーマンスをされていました。

 おかげで駐車場の場所はしっかりと覚え店舗まで家族で談笑しながら歩くことができました。
渋谷のDJポリスではありませんが気持ちがなごむ出来事でした。

志賀内泰弘

たぶん、その警備員さんは、上司の指示ではなく「こうしたら喜ばれる」と思って自発的にやっておられるのでしょう。言うまでもなく「働く」とは「傍を楽にする」こと。その見本ですね。