「いい話のノート」より・・・パート6
以前、本紙「心にビタミンいい話」で特集しました(株)ユタカファーマシーさんは、大阪・京都・滋賀・愛知などに170店舗のドラッグストアを展開しています。遠くのお宅まで配達したり、お子さんの手を引いて一緒に買い物をしてあげたり、車までお米や水など重い物を運んで差し上げるのが当たり前のハートフルなお店です。そんなドラッグユタカさんの社員やアルバイトさんたちが休憩時間に綴った「ちょっといい話ノート」から紹介させていただきます。今回は、その第6弾です。
(その1) YUTAKA店(京都) Aさん
スタッフからの報告で、店頭に駆けつけました。当方の接客が悪かったせいで、お客様が怒っておられました。その対応をしたスタッフと共に何度も謝罪しましたが、なかなか許していただけませんでした。1時間後、「もうこの店には来ない!」と言われ、帰って行かれました。私たち二人は道路まで出て、車の姿が見えなくなるまでお見送りしました。
スタッフは「すみません店長・・・」と肩を落としています。「これから気を付けろよ」と励まして仕事を再開しました。
さて、その日の閉店間際のことです。「あの」お客様が店に駆け込んで来られました。ちょうどレジのところにいた私たち二人の姿を認めて駆けて来ました。まだ怒りが収まらないのだと思いました。
「さっきはごめんな。バックミラーで見てたよ。ずっとお辞儀をして見送ってくれてたよな」
そう言い、お菓子の包みを差し出されました。
「ここの大福、ものすごく美味いんや。みんなで食べて」
お客様は、そう言うと、また駆けるようにして帰って行かれました。私もスタッフも涙が止まりませんでした。
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誰にもミスはあります。問題はその後。どうやって解決するかです。心を込めたお辞儀が、相手に伝わったのですね。
(その2)北野白梅店(京都) Kさん
母の日のことです。帰宅すると、5人の子供たちが並んで迎えてくれました。その手には、一人1本ずつのカーネーションがありました。私は、そのサプライズに胸が詰まりました。
一人ずつ順番に手渡してくれます。5本のカーネーションを抱えて、子どもたちに何と言おうかと考えていました。小遣いは少ししか与えていません。カーネーションは高かったはずです。すると、長女が言いました。
「ほらね、一人1本でも、5本集まると花束になるでしょ!」
私は胸がいっぱいで、泣き出しそうでした。
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なんて親孝行な子たちなんでしょう。親孝行ということは、その親が素晴らしいからに違いありません。きっと、親の姿を見ていて、こういう優しい心の持ち主に育ったのでしょう。
(その3)林町店(岐阜県) Tさん
両親と一緒に、京都へ出掛けた時のことです。京都駅から東本願寺まで歩く途中で、目の前に大きなスーツケースを押しながら歩く女性がいました。それも二つも。
「こんなにたくさんの荷物を持って、どこへ行くんだろう」
などと考えていると、その女性が横断歩道の段差で、止まってしまいました。
その時でした。私の父親が駆け寄って、そのスーツケースを押すのを手伝ったのです。父は、何年か前に手に大怪我をし、今も少し不自由なのです。それなのに・・・。躊躇なく手伝った父親を誇りに思うとともに、すぐに動けなかった自分が恥ずかしかったです。
これからは「すぐ行動しよう!」と思いました。
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何歳になっても、親の背中を見て子供は育つのですね。それにしても、お父さん!やりますね。プチ紳士です。