「いい話のノート」より・・・パート8

 以前、本紙「心にビタミンいい話」で特集しました(株)ユタカファーマシーさんは、大阪・京都・滋賀・愛知などに171店舗のドラッグストアを展開しています。遠くのお宅まで配達したり、お子さんの手を引いて一緒に買い物をしてあげたり、車までお米や水など重い物を運んで差し上げるのが当たり前のハートフルなお店です。そんなドラッグユタカさんの社員やアルバイトさんたちが休憩時間に綴った「ちょっといい話ノート」から紹介させていただきます。今回は、その第8弾です。

(その1)入舟店(岐阜県) Kさん

 義父が、がんで入院中のことです。当時、三歳の長男が誕生日を迎えました。主人が、
「病院に連れて行って、一緒にお祝いをしてもらおう」
と言いだしました。

 電話をすると、「病院でお祝いなんて」と、義母も義父も戸惑っていましたが、受け入れてくれたためケーキを買って三人で出掛けました。

 病院の配慮で、面会室を貸していただき、義父母、私たち夫婦と長男の五人で「お誕生会」をしました。入院して二か月間、ほとんどの何も食べられず、いつも苦しそうな表情の義父でした。ところが、孫に会った嬉しさからか、ケーキを一口、二口、そしてジュースも少しだけ口にしました。体力的にはかなりきついはずなのに、とても嬉しそうに笑顔で孫を祝ってくれました。
面会時間は午後八時まででしたが、病院の看護師さんたちに「気になさらないで、どうぞゆっくりして下さい」と言われ、見守っていただきました。

 その二週間後、義父は静かになくなりました。後で聞いたことですが、「一番の土産を連れて来てくれた」と喜んでいてくれたそうです。その長男も今では13歳になり、誕生日が来るたびに義父のことが偲ばれます。

志賀内泰弘

決まり事より、患者さんの事情を察して臨機応変に対応された看護師さんの温かな心遣いが嬉しいですね。お義父様は、今も家族の心の中に生き続けていることでしょう。

(その2)宇治伊勢田店(京都府) Iさん

 ランチに出掛けた時のことです。メニューを注文した後、携帯に電話がかかってきたので席を立ちました。10分ほどで要件が済み、席に戻ると、それを見計らって店員さんが黙ってご飯とお味噌汁を温かい物に代えてくれようとしました。自分の都合で冷めてしまったのに・・・。

「いいですよ」
と遠慮しましたが、

「大丈夫ですよ。温かい物を召し上がってください」
と言い、サッと交換してくれました。

 今まで、こんな経験がなく感謝の気持ちでいっぱいになりました。ユタカでも、おもてなしの心を忘れずにお客様だけでなく、スタッフにも接して行きたいと思いました。

志賀内泰弘

やるねぇ~!ご飯とみそ汁を交換することは、原価が上がるということです。それだけでも、たいへん。でも、もっとスゴイのは、店員さんが、一旦、お客様が席を外したことを見守っていて下さったということです。よほど、心に余裕を持って、心底「お客様のため」と思って働かなければ、こういうことはできません。ただ、ただ、脱帽です。

(その3)養老店(滋賀県) Yさん

 私の次男は、ふと気づくと表に遊びに出掛けてしまいます。
「危ないから、外へ行っちゃだめよ」
と、いつも怒ってしまいます。

 そんなある日のことです。家に戻って来た息子が、
「お母さんにキレイなお花を取ってきたよ」
と言い、差し出してくれたのです。毎日、怒ってばかりですが、やさしい心に育ってくれて嬉しかったです。

志賀内泰弘

けっして、「親バカ」なんて思いませんよ。ホント!優しい子ですねぇ。

(その4)彦根南店(滋賀県)  Nさん

 子供の歯科検診に出掛けた時のことです。来院した若い男性が、玄関で自分の靴だけでなく、他の患者さんの靴も揃えているのが目に留まりました。「履物を揃えると、心も揃う」と聞いたことを思い出し、見ていた私の心まで清められた気がしました。

志賀内泰弘

よほど、普段から身についていないとできないことですよね。見習わなくては。