「いい話のノート」より・・・パート11

 以前、本紙「心にビタミンいい話」で特集しました(株)ユタカファーマシーさんは、大阪・京都・滋賀・愛知などに196店舗のドラッグストアを展開しています。遠くのお宅まで配達したり、お子さんの手を引いて一緒に買い物をしてあげたり、車までお米や水など重い物を運んで差し上げるのが当たり前のハートフルなお店です。そんなドラッグユタカさんの社員やアルバイトさんたちが休憩時間に綴った「ちょっといい話ノート」から紹介させていただきます。今回は、その第11弾です。

(その1)南陽店(愛知県) Tさん
   
 先日、レジに3人のお子様連れのお母さんがいらっしゃいました。「4回に分けてもいいですか?」と言われ、即座に「いいですよ」とお受けしました。お子さんたちに、買い物の練習をさせるためだとわかったからです。そこで、すぐにレジを閉鎖。たぶん、幼い子供は、小銭入れからお金を出すのに時間がかかると思ったからです。

 3人とも、きちんとできました。最後に全員で「ありがとう!」と笑顔で言ってくれ、心が温かくなりました。レジ業務が繁忙な時でも、しっかりお客様に合せた対応が必要だなと、改めて思いました。

志賀内泰弘

テレビで「はじめてのおつかい」という番組があります。母親が幼い子供に「おつかい」に行かせて、その不安げな様子をカメラで追いかけるというものです。母親の子供に対する愛情は、この世で最も尊いものと言われています。博愛。無償の愛です。自分の子供に優しくしてくれた人は、何よりも感謝したくなります。それがわかっていても、仕事で効率・能率ばかりを追い駆けていると、おざなりになってしまいます。Tさん、そしてユタカさんはスゴイ!

(その2)安土店(滋賀県) Aさん

 電車に乗っていた時の話です。高校生の男の子が、妊婦さんに席を譲るのを見掛けました。譲られた女性が「ありがとう」と言った時、ハッとしました。男の子がイヤホンをはずして「いいえ」と言ったからです。ちょっとした行為ですが、印象深く心に残りました。仕事で店頭に立つときにも、同じようにちょっとした行為・行動が人の心に残るのかな、と思いました。

志賀内泰弘

よほど育ちがいいのか。両親のしつけが厳しいのか。大人でも、そのような行動をする人は少ないかもしれませんね。ひょっとすると武道を習っていて、礼儀正しさが普段の生活の中で身に付いているのかも。そこに「目をつける」Aさんも素晴らしいです。

(その3)北野白梅店(京都府) Hさん

 当店には4台の駐車場があります。しかし満杯になったことはありません。先日、関西とは違ったイントネーションのご家族が来店されました。買い物の後「食事に行くので、少しの間、駐車させてもらってもいいですか?」と言われ、「どうぞごゆっくり」と返事しました。すると「本当ですか?ありがとうございます」と予想以上に喜んでいただけました。後で車を見たら、北九州のナンバーでした。おそらく立命館大学の新入生のご家族かと思われました。食事後、そのご家族は再び買い物をして下さいました。これからも、このご家族との絆が続けばいいなと思いました。

志賀内泰弘

よくコンビニで見かける看板。「当店以外の買い物の駐車お断り」。当然のことでしょう。でも、こんな看板も。「駐車は30分以内にしてください」。たぶん、駐車場でお弁当を食べて、コーヒーを飲んで休憩される人が多いからでしょうね。だから・・・「どうぞごゆっくり」と言われると、驚いてしまうわけです。

(その4)エリアマネージャー Aさん

 遅番の出勤途中、集団下校中の小学生を見掛けました。横断歩道で停車して、小学生が通り過ぎるのを待ちました。渡り終わったところで、班長と思われる高学年の子がこちらを向いて、深々と頭を下げ、「ありがとうございました」と元気よく言いました。清々しい気分になり、私も年齢を重ねても常に感謝の気持ちを伝えられる人間になりたいと思いました。

志賀内泰弘

それは、学校の先生の指導によるものでしょうか。それとも、班長さんの自発的な行為なのでしょうか。いずれにしても素晴らしい!だって、私もそこまでしたことはありません。せいぜい、ちょっと手を挙げて、ペコリとお礼の挨拶をする程度。大人が子供より劣ること。それは「素直さ」だと痛感しました。

(その5)烏丸三条店 Kさん

 ときどき、車いすを利用されているお客様が来店されます。私が行ける時には、私が。手が離せない時には、他の従業員に指示をして、そのお客様のお買い物のお手伝いをさせていただきます。

 さて、先日のことです。レジで、よく買い物に来られるお客様に話し掛けられました。
「私の兄は車いすでこちらの店に来ると、いつも親切にしてくださるスタッフさんがいると聞いています。たぶんあなたのことですよね。ありがとうございます」

 当たり前のことをしているだけですが、すごく嬉しかったです。

志賀内泰弘

こちらは、ただの「小さな親切」のつもりでも、相手には「10倍もの親切」に受け取られることってあるんですよね。なんだか爽やかな風が、心に吹き抜けました。