「いい話のノート」より・・・パート12
以前、本紙「心にビタミンいい話」で特集しました(株)ユタカファーマシーさんは、大阪・京都・滋賀・愛知などに201店舗のドラッグストアを展開しています。遠くのお宅まで配達したり、お子さんの手を引いて一緒に買い物をしてあげたり、車までお米や水など重い物を運んで差し上げるのが当たり前のハートフルなお店です。そんなドラッグユタカさんの社員やアルバイトさんたちが休憩時間に綴った「ちょっといい話ノート」から紹介させていただきます。今回は、その第12弾です。
(その1) 365店(滋賀県) Aさん
小さなお子さんを連れた30代のお父さんが来店されました。マスクの在庫がない旨をお伝えすると、
「ニュースで見ましたが、本当にないんですね。従業員さんのご負担が増えて本当にご苦労様です。無理しないで、頑張って下さい」と言って下さいました。
すると、そばにいたお子さんも、カワイイ声で、
「頑張って!」
と。こんな時こそ、人の言葉の暖かさが染みるのだと思いました。
テレビのニュースで見ました。ドラッグストアで、マスクの奪い合いをするシーン。お店の店員さんを罵倒するお客さん。なんだか、胸が苦しくなりました。そのお客さんも、普段はけっして「悪い人」なのではないと思うのです。でも、この非常事態。心が荒んでしまうんですよね。そんな中、医療従事者とともに衣料品、薬品、日用雑貨、食料品を販売するお店のスタッフさんたちも、リスクを負いながら接客して下さっています。本当に頭が下がります。ドラッグユタカさんに限らず、きっときっと日本中、こんな時にでも「思いやり」は健在であることを信じています。
(その2)三宅八幡店(京都府) Aさん
小さなお子様が来店された時のことです。自分の好きなお菓子を選んでレジへ。すると、募金箱を見て少し考え込み、お菓子を減らしてその分のお金を募金箱に入れてくれました。
また別の日の出来事。幼いお子さんが「お母さん、この箱なあに?」と尋ねました。母親が説明すると、「入れないの?」と言いました。お母さんは、すぐに募金して下さいました。
このような光景を見るたび、大人も見習わなくてはならないなぁ、と思います。
ああ~恥ずかしい。私は子供の頃、絶対そんなことはしていませんでした。お小遣いがもっと欲しかった。駄菓子屋に行って、買い食いするだけです。他に使い道なんて考えたこともなかった。ああ~恥ずかしい。
(その3)安土店(滋賀県) Iさん
朝、お店のトイレの掃除を終えると、外で待っている母子がいました。二歳になる男の子にトイレのトレーニングをさせているとのこと。幼稚園に通う上のお子さんを一緒に送っていった後、必ず「オシッコ」と言うので慌てて家まで戻る。すると「ユタカでオシッコしたい」というので、毎朝、オシッコをさせに来るようになったというのです。トイレから出て来た男の子に「出た?」と尋ねると「・・・でた」と一言。「すごいすごい」と褒めてあげました。お母さんも「褒めてもらって良かったなあ。また頑張ろうな」と。
わざわざユタカのトイレまで来る男の子のためにも、キレイにしなくてはと思います。
男の子の気持ち、よくわかります。きっと、ユタカのトイレで上手にオシッコできたことがあるんですよね。いや、違うかも。よっぽど、ユタカさんのトイレがキレイだからなのか。一度、入ってみたいです。
(その4)エリアマネージャー Tさん
最近入社したばかりのアルバイトの大学生が、呟きました。「1万円稼ぐのって大変!」と。「今まで両親が仕事をしていたことに対して、何の感謝も苦労も感じなかったけど、自分でお金を稼ぐようになって、それがどれほど大変か身に沁みた」と言うのです。
我々小売業の仕事は、お客様に来店していただき、商品を販売し、それを使って豊かになっていただくことなのだと理解できたようです。仕事の目的や役割も理解させることで、仕事への取組み姿勢も変わることを教育していきたいと改めて思いました。
初めて給料をもらったあの日のことが懐かしいです。お金を稼ぐというのは、たくさんの辛い事、苦しい事を乗り越えた向こう側にあるものだと、だんだん学んで行きました。その大学生の成長を願ってやみません。
(その5)池下店 Мさん
ご家族の介護をしているお客様がいます。ときどき、その苦労話をして行かれます。つい先日のことです。「ここで話を聞いてもらうと気持ちが少し楽になります」と言っていただきました。
私も、両親、そして妻の介護をした経験があります。本当につらかったです。どんなことよりも、人に話を聞いてもらうことが、救いでした。
(その6)宇治田原店 Aさん
ある日の夕方、ふとお店の玄関に目をやると、生まれたばかりの子猫が数匹、捨てられていました。お店で飼うこともできず途方に暮れていると、お客様の一人が様々な情報を駆使して、里親を探して下さいました。アッと言う間に、無事すべての子猫の命を救うことができました。世の中がこんな状況で心が不安定になっている時、人の温かみに触れたことで、「これからも頑張ろう!」と思えました。
昔、昔、貧困から赤ちゃんを捨てなければならなくなった親は、その赤ちゃんを育ててくれそうな人の家の前に、置いていったといいます。ひょっとしたら、この子猫ちゃんたちの飼い主も、何かの事情で困り果てた末に、ドラッグユタカさんだったら・・・と思ったのかもしれません。